見出し画像

僕らが宇宙を夢見る理由

久しぶりに『ガタカ』を観た。

最近YouTubeでおすすめの映画として
紹介して、また観たくなったからだ。

その週にテレビで放送される
映画の中からおすすめを紹介する
YouTube番組『0円映画祭』。

ガタカはすごく好きな映画なので、
第50回という記念すべき回に
紹介できて嬉しかった。

よかったら観てください。

ガタカは1997年公開のSF映画。
舞台は遺伝子が操作される近未来。

自然出産で生まれた主人公は不適合者とされ
自分の望む職に就くこともできない。

それでも彼は、日々の血液検査を
偽り続けて宇宙飛行士を目指している。

この設定はとてもリアルで
「NASAが選ぶ現実的な映画」の
第1位に選ばれたほどだ。

もし「遺伝子操作」というのが
あまり身近に思えないなら、
例えば「適性検査」だったらどうだろう。

就活時などでSPIとか呼ばれてるような
仕事の適性をチェックするあれだ。

あんなもので自分の可能性は測れない。
そう思っている人は多いだろうけど。

AIのディープラーニングがこのまま進めば
その信頼性はどんどん上がっていくだろう。

信憑性ではなく、信頼性だ。

当たっているかどうかではなく、
社会がそれを信じるかどうか。
科学の名の下に差別が行われる。

ガタカの世界は起こりうる未来なのだ。

でも、ガタカが名作なのは
設定が面白いからだけじゃない。

面白くて美しいからだと思う。

遺伝子操作によって
優れたものだけが残る未来。

その世界観を表現するために
ガタカは「古き良き未来」で溢れている。

登場人物は皆クラシックなスーツを着ていて。
シトロエンのような往年の名車に乗っていて。

そして主人公の職場を撮影したのは
フランク・ロイド・ライトの遺作である
マリン郡シビックセンターだ。

美しい映像、心に残る音楽、叙情的な物語が、
アクション主体だったSF映画の歴史を変えた。

面白いSFはたくさんあるけど。
面白くて美しいSFはそんなにはないのだ。

なぜ主人公は、宇宙飛行士を目指すのか。

遺伝子で定められた"運命"に抗うこと。
それはまさに、生まれながらの重力に逆らって
宇宙を目指すということなんじゃないか。

……くぅー!かっこいい!

これは僕らへのメッセージなんだと思う。
ですよね監督?そうですよね?
アンドリュー・ニコル監督!

翌年の『トゥルーマン・ショー』も最高でした!
近年の『TIME』はまぁちょっとアレでしたけど
そういうこともありますよね!

監督のメッセージ、受け取りましたんで!

よーし、僕と同じように
地球でくすぶっているみんなー!

宇宙行こうぜー!

この記事が参加している募集

映画感想文