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人類の限界かもしれない

今日はバイトの最終出勤日だった。

こんな日に限って、めちゃめちゃ寒い。
まぁ雨や雪が降るよりかはマシだけど。

持ってる中でも、暖かさ3位の上着を着て。
その上から更に、暖かさ2位の上着を着た。

それでもまだ全然寒かったので、大人しく
1位を着て出るべきだったなと後悔した。

あまり外出してないと、こういうときにミスる。

久しぶりに乗ったバスは、
以前より混んでいる気がした。

「印鑑と保険証を持ってきてください」

フルリモートで勤務してたのに、
退職日は出勤しないといけない。

ここらへんが人類の限界かもしれない。

……いつかAIに仕事を奪われる日が来たら、
その退職手続きは、リモートなんだろうか?

退職が気まずいときに代行してくれる
退職代行の仕事があると聞いたけど。

人間の気まずさなんて、AIは
わかってくれないだろうから。

そうなると人類最後の仕事は、
退職代行なのかもしれない。

誰かの退職を代行し続けて、
自分が最後のひとりになって。

その人類最後のひとりが、
退職代行の仕事を辞めるとき。

AIは、退職代行してくれるんだろうか?

オツカレサマデシタって
言ってくれるんだろうか?

……そんなことを考えているうちに、
降りるバス停に着いてしまった。

「こちらが退職証明書になります」

手続きをしてくれた人事の人に、
お礼を言ってオフィスを出る。

いくつもバイトをしてきたけど、
会社都合で退職するのは久しぶりだ。

コロナの経済への影響は遅れてくるって
聞いてたけど、本当だったんだなぁ。

帰りのバスを待ちながら、スマホでぼんやり
ニュースを見ていて、思わず笑ってしまった。

「最終的には生活保護があるから」

きっとあの人は、お疲れ様でしたなんて
言ってくれないんだろうな……

ここらへんが人類の限界かもしれない。

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