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ほてり、のぼせ、などのホットフラッシュを軽減!更年期障害を対策する食べ物

今回は、ほてり、のぼせなどの更年期障害を軽減する食べ物を紹介します。

更年期障害とは、閉経前後の10年間に起こる身体の不調です。

このような不調が起こる理由は、ホルモンバランスの乱れが原因です。

閉経をするとエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下します。

低いエストロゲン状態に身体が慣れるまでの10年間、さまさな不調が起こるのです。

例えば、更年期障害では次の症状が現れます。(1)

①血管の拡張と放熱に関係する症状
ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など
②その他のさまざまな身体症状
めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど
③精神症状
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など

10 年間、これらの症状をじっと我慢し続けなければならないのか。

それは、本当につらいと思います。

今回は、病院に行かなくてもできる、最も手頃な更年期障害対策を2015年に中国で行われた研究をベースに紹介します。(2)

更年期障害を対策する食べ物

更年期障害を対策する食べ物として、研究者達が注目したのが豆腐味噌などの大豆製品ゴマナッツなどの種子類です。

大豆製品にはイソフラボン、種子類にはリグナンが豊富に含まれているからです。

Q: イソフラボンとは

A: 大豆に含まれるポリフェノール。ファイトケミカルとも呼ばれます。ファイトケミカルについて詳しく知りたい方はこちらをクリック!


補足
Q: リグナンとは


A: リグナンとは、種子に多く含まれるポリフェノール。こちらもファイトケミカルの一つ。アマやゴマに特に多い。野菜だとブロッコリーやキャベツに含まれています。

イソフラボンやリグナンは、植物性エストロゲンとも呼ばれることがあります。

植物性エストロゲンの働き
植物性エストロゲンとは、その名の通り植物がもつ女性ホルモンに良く似た栄養素のことです。

植物性エストロゲンは、私たちの身体の中でエストロゲンの働きを調整します。エストロゲンが多過ぎるときは、エストロゲンの働きを低下させます。エストロゲンが少ないときには、エストロゲンと同じ働きをします。

エストロゲンの分泌が低下している更年期障害の女性がイソフラボン、リグナンなどの植物性エストロゲンを補充することで、更年期の症状が改善するのではないかと注目されています。

今回紹介する研究では、3つの指標を用いてイソフラボンとリグナンの効果を測定しました。

ホットフラッシュの程度、クッパーマン更年期指数副作用の有無です。

Q: ホットフラッシュとは

A: ホットフラッシュとは、急にのぼせ、ほてり、発汗が起こる代表的な更年期障害です。

Q: クッパーマン更年期指数とは

A: クッパーマン指数とは、ホットフラッシュや手足のしびれ、抑うつ、不眠など、11 の更年期症状を点数化したものです。点数によって更年期症状の程度を測定します。(3)

すでに更年期障害でお悩みの方は、こちらのURLからクッパーマン指数を計算することができます。

それでは、イソフラボンやリグナンなどの植物性エストロゲンが更年期障害を改善するのか、結果を発表します。


ホットフラッシュについて

イソフラボンやリグナンなどの植物性エストロゲンは、ホットフラッシュを減少させることがわかりました。

私の周りでもホットフラッシュで悩む女性は、本当に多いです。

体温調節に困っていたり、夜間のホットフラッシュで目が覚めてしまったりと、本当にツラい経験をされています。

ホットフラッシュでお悩みの方は、イソフラボンやリグナンなどの植物性エストロゲンを積極的に摂取してみてはいかがでしょうか?

とくに味噌はオススメです。

更年期障害になると、高血圧になる方が多いからです。

味噌は塩分が入っているにも関わらず、血圧を下げる効果があることで有名になりました。

そんな味噌の効果について詳しく解説した記事がこちら。

もっと楽に摂取したい、という方はサプリでもオッケーです。

ただし、イソフラボンのサプリは少し注意が必要です

実は、イソフラボンの効果を最大限に引き出せる人、一部しか引き出せない人がいるからです。

ご自身がイソフラボンの効果を最大限引き出せるのか、そうでないかでサプリメントの選び方が変わります。

その調べ方やオススメのサプリメントについて解説した記事がこちら。あわせて読んでみてください。

クッパーマン指数について

次は、クッパーマン指数についてです。

更年期障害を改善した植物性エストロゲンでしたが、クッパーマン指数を改善することはありませんでした。

つまり、めまいや冷えなどの身体症状、落ち込みやイライラなどの精神症状を改善する効果はなかったのです。

ホットフラッシュ以外の改善効果を期待して、イソフラボンサプリメントを飲んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

効果を実感している場合は別ですが、そうでない場合は中止していただいても良いかもしれません。

ホットフラッシュ以外の症状でお悩みの方は、主治医の先生にご相談いただくようお願いします。


副作用について

最後は、副作用について。

とくに植物性エストロゲンを摂取して、副作用は報告されませんでした


まとめ
・更年期障害を対策する食べ物は、イソフラボンを含む大豆製品リグナンを含む種子類である。
・植物性エストロゲンは、ホットフラッシュを軽減させる。
・めまいや冷えなどの身体症状、落ち込みやイライラなどの精神症状は、植物性エストロゲンでも改善しない。

それでは、また次回の記事もよろしくお願いします!


参考文献

(1)公益社団法人 日本産婦人科学会 更年期障害

(2)Chen MN, Lin CC, Liu CF. Efficacy of phytoestrogens for menopausal symptoms: a meta-analysis and systematic review. Climacteric. 2015 Apr;18(2):260-9. doi: 10.3109/13697137.2014.966241. Epub 2014 Dec 1. PMID: 25263312; PMCID: PMC4389700.

(3) クッパーマンの更年期指数


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