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金メダルでも残せない琴線に触れる瞬間に永遠は宿る。

朝からspotifyでnew releaseをチェックし、仕事が終わればNetflixで映画を観る。

移動の車の中では音声メディアに耳を傾け、エンタメを中心にインプットを大切にしています。

理由はと言えばもちろん感性を刺激しておきたいから。




インプットの量がセンスを生み出すを標榜しておりますが
感性を刺激し続けるには心の琴線に触れる数をいかに多く保てるのかということを意識して仕事に向き合っています。



インプットの手段の中で地上波を見る機会は最近めっきり失われてきていると感じます。

もうすっかり見る機会を失った地上波ですが、オリンピックなどのビッグイベントはやはり気になるもので、特にスキージャンプは競技というより迫力があり私にはエンタメと感じさせる部分もあり、テレビをつけて観戦しています。


6日の男子ノーマルヒルは見事に小林陵侑選手が追い風という悪条件の中、2本のジャンプでしっかりと距離を伸ばし、金メダルという歓喜の瞬間にいました。



この歓喜の瞬間に改めてスポーツには心の琴線に触れるほどの感動を生む力があるなぁと感じ、7日はオリンピックにおいても初の種目、男女混合のジャンプ混合団体という種目にチャンネルを合わせました。

一本めのジャンプは高梨沙羅選手でした。



一本目103mのビッグジャンプで笑顔いっぱいの高梨選手に幸先の良さを感じました。

その後のジャンパー達も記録を伸ばす中、混合の一回目が終わった順位が8位と伸びていません。



実は高梨沙羅選手がスキースーツの基準チェックで基準を満たしていないため失格となってしまったのです。



スキージャンプと言えば何度もルール改正が敷かれ日本に不利になるように改変されてきたものというイメージがこびりついていてこのルールも穿って見ざるを得ない心情になりました。




最初のオリンピックに出場した際も連戦連勝で金メダルを確実視されながらの残念な結果となってしまいましたが、そこから我々一般人では到底想像も出来ぬほどの努力を重ねて来て3度目のオリンピック。

未だトップ選手の一員としての参加で国民の期待と団体戦というチーム戦での個人戦とは違うプレッシャー。

その中で堂々と舞台に立った彼女が失格。


大ジャンプで結果を出した後の失格。

なぜこんな試練を彼女に与えてしまうのか。

ライバルである他国の選手が彼女を慰めるシーンも。


スキージャンプ混合団体 1回目の飛躍が失格となり、号泣する高梨沙羅=張家口(東京新聞)


そんなシーンに私の心の琴線は揺れに揺れ、感情は大きく揺さぶられました。

その後、泣き崩れたなどの報道もありましたが短時間の中でスーツを着替え2本目も飛ぶという決断。

そして見事なジャンプを成功させます。

この精神力たるや。

2本目のジャンプを精神力で飛んだ後はカメラの前に深々と頭を下げ謝罪したのも印象的でした。


<北京五輪ジャンプ混合団体>2本目を飛び終えると、目に涙を浮かべる高梨沙羅(スポニチ)


2本目のジャンプに進む決断をし、そのジャンプを成功させる精神力の強さやチームのエースとしての自覚、様々なプロ意識に感情は溢れてしまうかのように揺さぶられ続けます。



その後、メンバーの大ジャンプは続き最後の小林陵侑選手の大ジャンプでメダルに届くのかという可能性まで感じさせてくれました。

最終的には4位となり惜しくもメダルには届きませんでした。

しかし私にはとても大きなものを残してくれました。



競技を終え、失格後責任を感じて泣き崩れる高梨選手を「たくさんハグしてあげました」とのコメントを残した小林陵侑選手。



オリンピックという競技がスポーツ選手にとって目指すべき高みであることも結果を出してこそプロであることも承知した上で言いたいことは金メダルという一時の歓喜よりきっと私にとって一生残り続ける高梨選手の決断や、涙、そして小林選手の振る舞いはもっともっと価値のあるものとして残り続けると思います。


混合団体の競技を終え、うなだれる高梨沙羅(中央右)の肩を抱く小林陵侑(同左)=(東京中日スポーツ)


そしてどんなに多くのエンタテインメントに触れ感動を味わい、インプットとして感性を研ぎ澄ましても世界で戦うスポーツが与えてくれるドラマにはきっと敵わないと感じます。

ここまで心の琴線が揺さぶれる経験は日々のインプットでは得られることは少ないからです。



一流のアスリートが4年間その全てを捧げ挑む”瞬間”に触れることが出来、その瞬間の決断、そしてチームとしての振る舞いに学ぶこと、感じることがこんなに多いのだとあらためて感じました。

金メダルという”栄光”でもきっと残すことの出来ない琴線に触れる”永遠”を止めることが出来ました。



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