マガジンのカバー画像

水曜日のひだまり

11
自由を求めて居場所を変えた先は、それまでよりも自由がない場所だった。その時出会った、デッサンを教える非常勤講師のおじいさん先生との陽だまりのような水曜日。
運営しているクリエイター

#エッセイ

水曜日のひだまり 着物

何でだったか覚えていないが、先生に絵手紙を送ったことがあった。その頃、墨を使って絵や文字…

cheka
3年前
24

水曜日のひだまり 井の中のバー

前回に登場した先生の絵描き友達のKさんとは、個展にお邪魔してから数回ご一緒した。三人での…

cheka
3年前
22

水曜日のひだまり 無から教わる自由

水曜日の授業が終わると、テキパキと片付けて先生と大学を後にする。行く先は先生の古い友人の…

cheka
3年前
22

水曜日のひだまり 青い怒り

『芸術というものは美しく、心地の良いものではない。』 と、小林秀雄は何かに書いていた。 私…

cheka
3年前
20

水曜日のひだまり 昭和のなごり

先生の元には、美術館から次の展覧会のオープニングパーティーの招待状が届く。私が助手に就い…

cheka
3年前
16

水曜日のひだまり 侍

夏休みの宿題に先生が出す課題に、奉書巻紙にストーリー性のある絵を描く…というものがあった…

cheka
4年前
15

水曜日のひだまり また一から

水曜日は時間すらゆっくりと進んでいるかのようだった。 デッサンは自分との対話だから、周りがとやかく言うことは特別ないのだ。上手い下手はあるし、形をうまくつかめているかなども重要だけれど、基本的には自分であーだこーだと描くしかない。 出席をとって、先生がその日の課題の説明をしたら、大方することがない。時々、教室をグルっと回ってみる。同じものを描いているのに、ひとりひとり違う。微妙に歪んでいるデッサン、丁寧に丁寧に描きすぎて消えそうなデッサン、ここだ!と言う見極めが早すぎてやけに

水曜日のひだまり Vol.3 先生と数字

いつも先生の質問にはドキリとさせられた。素直に答えてその答えをどうとるんだろう…?そう思…

cheka
4年前
21

水曜日のひだまり vol.2 見ること

いつもは3階の息が詰まりそうな研究室にいるが、水曜日は朝から5階にいる。空が開けて、それだ…

cheka
4年前
21

水曜日のひだまり vol.1

大学で助手…なんてことをしていた時が3年ほどある。父が倒れる数年前の年までだ。私が主につ…

cheka
4年前
17