水曜日のひだまり 侍
夏休みの宿題に先生が出す課題に、奉書巻紙にストーリー性のある絵を描く…というものがあった。私も先生も提出されたその課題を見るのを楽しみしていた。奉書巻紙は、それをクルクルとほどき見る行為が更にワクワクさせた。
先生は若い才能に嫉妬することはもう、とうの昔からないようだった。
「これ、おもしろいわ。」
そう言って差し出したのは、いつも少し斜交いに教室の端にいる学生の作品だった。ちょっと尖ったようにも見えるが真面目だった。
どれどれ…拝見と巻紙を広げていく。
一人の侍が立っている