お米を炒めてからつくる「中華風たまご粥」のレシピ
「お米の花が咲く」という表現をご存知ですか?
お米の花が咲いたおかゆとは、さらっと、ふわっとした中華風のおかゆのこと。米粒が割れ、お花のようにパッと膨らむことから、このように表現されます。
わかりますか?米粒がびろろろんと伸びて、蛇腹のように広がっているさま……これが「花が咲く」!
以前「中華粥って中華だしを入れたおかゆのことでしょ?」と思っていたころ、中国のおかゆの作り方を知って驚きました。だってレシピの冒頭が…
①お米を炒めます
……お米を炒めます!?
そう、お米を炒めるのです。これは、広東風のおかゆ。横浜中華街や香港のおかゆは、ほぼ広東式です。中華料理店のおかゆが異常においしい理由は、作り方が違うからだったんですね。
花咲くおかゆのレシピの多くが難解。分量が壮大なうえ、簡素な(淡白な)説明で再現性が低いものばかり。……だったので、時には中国語のレシピを解読しつつ、試作を重ねて、作りやすくアレンジをしました!
馴染み深い日本のもったりしたおかゆとは全く別物の、香り高く、香ばしく、それでいて油っぽさのない。ご馳走粥!
おかゆ嫌いにこそ食べていただきたい、自信作です。
お米を炒めてからつくる「中華風たまご粥」のレシピ
生米からつくるので、炊いたご飯のストックがなくても大丈夫。じっくり火を入れるため、ふわっとおいしいおかゆになります。完成まで50分〜1時間ほどかかりますが、多くの時間は放置ができるのでそれほど手間はかかりません。
記事の後半では写真とともに詳しい作り方をご説明いたします!
【 材料 】(2人前)
▶︎ 生米 ・・・半合(90ml)
▶︎ ごま油 ・・・大さじ1
▶︎ おろし生姜・・・小さじ1〜大さじ1
▶︎ 熱湯 ・・・1200ml
▶︎ 中華だし ・・・小さじ2
▶︎ 卵 ・・・1個
▶︎ 塩 ・・・小さじ1/2
おこのみで
▷ クコの実(水で戻したもの)
※「熱湯+中華だし」の代わりに、同量の鶏がらスープや貝柱だしを使えば、超本格的な中華粥になります。余力があればぜひ!
【 レシピ 】
①米を研ぎ、ざるで水気を切っておく。厚手の鍋にごま油を入れ、おろし生姜と米を中火で5分ほど炒める。
②お米に油がなじんだら、熱湯1200mlと中華だしを入れ、中火にかける。
③お鍋の中がグラグラとしてきたら、フタをせずに、弱火に40分かける。
④塩で味をととのえる。溶き卵を流し入れて、10秒待つ。そっと混ぜたら、火を止めて、完成!
【 つくりかた (写真つき)】
ここからは写真とともに詳しい作り方を解説いたします!
①中火で炒める
お米(半合)をていねいに研ぎ、水気を切っておきます。厚手の鍋にごま油(大さじ1)を入れ、鍋をしっかりと温めます。
土鍋は油を使った調理には不向きです。4〜5人前のカレーが作れるくらいの、深さと厚みのある大きなお鍋がおすすめです。
おろし生姜(小さじ1〜大さじ1)と米を、中火で5分ほど炒めます。
お米に油がなじみ、パラパラと白っぽくなるまで炒めます。
チューブの生姜でもOKですが、せっかくなので生姜をすりおろしました。
生姜が大好きなのでしっかり大さじ1ほど入れました。
②中火で沸かす
お米に油がなじんだら、熱湯1200mlと中華だし(小さじ2)を入れ、中火にかけます。
ジュワ〜!!!と、おいしい音と香りが弾けます。お湯を入れた瞬間ボコボコ沸騰した場合は、中華だしを入れて、すぐに③の工程に進みます。
お鍋の表面が静かな場合は、中火にしてお鍋の温度をあげます。
③弱火で煮込む
表面がフツフツした状態になったら、フタをせずに弱火に40分かけます。
この時の火加減が、最大のポイントです!お鍋の中で、ごく弱めにお米が踊るくらいの火加減を維持します。
コンロやお鍋によって差がありますが、我が家の場合「強めの弱火」くらいでした。
ふわふわっとお米が踊っているのが伝わりますでしょうか。ごく柔らかな対流を起こし続けます。
この火加減でコトコト煮込むことによって、米粒が割れ、いわゆる「お米の花が咲く」状態を作ることができます。
おかゆがふわっと仕上がったら、味付けに入ります。
④仕上
お塩(小さじ1/2程度)を入れて全体を混ぜて、味をととのえます。
溶き卵を回し入れ、10秒待ちます。そっと混ぜたら、火を止めます。
回し入れてすぐにかき混ぜると、塊のない黄色いたまご粥になります。写真のようなたまごのふんわり感を残したい場合は、溶き卵を入れてから少し間をおくのがポイントです。
お好みの具材とともに、器に盛りつけたら完成です!
じゃ〜ん!
「あ、これはおいしいやつ」と確信する香り。
パッと見は普通のたまご粥に見えますが、一口食べたら「ハッ」します。
このサラッとした感じが、日本のおかゆのそれとは全くの別物なのです。
ごま油と生姜が最高のお出汁です。
味がくっきりするので、療養食っぽさがゼロ。
お米を炒めるところからつくる中華風粥があまりにおいしくて、今月だけで3回も作りました…!
夫も大のお気に入りで、お米を炒める音がすると、ひょうひょうとキッチンを覗きにきます。笑
七草・ほうれん草のようにしっかりした食材や、ニラ・ニンニクなど香りの強いものにも合いそう◎
反対に今回の卵だったり、白菜、青梗菜、小松菜など、淡白であっさりしたものにも合いそう。
白菜生姜粥の上に乗せたのは、ラー油・トルティーヤ。
他にも、胡椒、ネギ、お餅、生姜、パクチーなど、いろんなものと相性が良さそうなので、お好みでアレンジしてくださいね。
レシピは今現在のベスト!…ですが、もっと簡単に、もっとふわっと、もっとおいしく作る方法があるのかもしれません。
シリーズでいろいろ作りたいとも思っています。
創意工夫を重ね、ブラッシュアップをして参ります。
今日も長〜いレシピを読んでくださってありがとうございました。
明日もおいしいおかゆを作ります。ごちそうさまでした!
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