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容姿やジェンダー差別のモヤモヤを吐露したい

ここ最近、脱毛サロンや痩身サプリなどの美容ブランドが出している、あるタイプのYoutube広告が物議を醸し出している。

それは、女性が抱える容姿に対するコンプレックスを餌に、自社サービス・製品を宣伝するというもの。

この広告を見てからというもの心のモヤモヤが募る一方なので、自分の思いをnoteに綴りたい。

女性の容姿を揶揄する広告たち

前述の広告だが、広告主や宣伝対象によってその内容は異なるものの、どれも一貫して男女間の恋愛をテーマにした漫画、且つ女性の体型や体毛を意図的に揶揄している。

ある痩身サプリの漫画広告は、このようなストーリーだった。

主人公の女性がある時彼氏から「太りすぎて、もう女として見れなかったから」という理由で、突然浮気を告げられる。そしてショックを受けた彼女は、ダイエットを決意するという話だ。

◇◇◇

普段Youtube広告をすっ飛ばす私は、初めてこのタイプの広告を見た時、大きな衝撃を受けた。見事にターゲティングされたので、表示されたものは全て観るようにしていた。

これまでマーケティングに従事していたことから、広告のWhat to say(何を伝えるか)を考えずにはいられなかったのだが、私は彼らのメッセージをこのように受け取った。

太っていると・体毛の処理を怠ると
浮気される(彼氏ができない)のは、仕方ない。

だから女性達よ!
男性に愛されたいのなら、
痩せるのだ!体毛を処理するのだ!

商品のターゲット対象となる女性のコンプレックスを煽ることは、決してユーザー視点とは言えない。

もちろん、強い憤りを感じたのは私だけではなく、多くの人たちが声をあげた。4月下旬には広告主に対して広告の配信停止を呼びかける署名活動も行われ、私も賛同した。8月3日現時点で、約3万2千筆集まっている。

女性たるもの○○○すべき思考は、もう古い

ここ数年、ボディ・ポジティブ(ありのままの自分のボディを愛すること)が世界中でパワーワードになっているのにも関わらず、容姿差別は未だに存在しているのだ。

そんな中、心を大きく動かされた美容ブランドがある。それは、ニューヨーク発の女性用カミソリブランド、Billieだ。

公式サイトを見ると、そこには「女性だからといって体毛を剃る必要は一切ない。カミソリが必要だと感じた時だけ、Billieを使ってほしい」と書かれている。

これまで「社会的に女性は体毛を剃るべき」という風潮が根付いていた。特に日本ではそれが顕著に出ていることから、体毛の処理が公共マナーであるかのように扱われている。

だからこそ、Billieを見つけた時は女性像の固定概念が一気に覆され、女性たるもの○○○すべき思考から解き離れた気がした。

「女性らしい」「男性らしい」とは?

もしかしたら、この人工的に作られた「女性らしさ」が定着している限り、女性は生き辛さを感じたままなのかもしれない。

それはきっと女性だけではなく、男性もそうだ。

優しくて、愛らしくて、家庭的なのが「女」なのか。
我慢強くて、度胸があって、仕事ができるのが「男」なのか。

そこに当てはまらないとしたら、一体何が問題なのだろうか。

もっと言うと、全人類を男と女の二択で分けられるはずがない。この世界はもっと多様で、想像以上に複雑なのだから。

かく言う私も、以前は「女性らしくなりたい」「男性らしい人が好き」のように、ジェンダーの表現を「○○○らしい」と一括りにしていたので、これからは自分が発する言葉の意味を考えていきたい。

差別や偏見は、無知から生まれる

先日、オリラジのあっちゃんこと中田敦彦さんが自身のYoutubeチャンネルでLGBTの概念や歴史を解説していたのだが、冒頭の発言が非常に印象的だったので、ここで引用したい。

「例え差別するつもりがないとしても、
正しい知識がなければいつか差別をしてしまう可能性がある。
良心的でいることは、差別しないことにはならない。」

これはジェンダーだけではなく、人種や宗教、アイデンティティ、身体・精神障害など、様々なことに当てはまると思う。

Black Lives Matterのムーブメントが起きた時もそうだ。「自分は黒人の人たちを受け入れているから差別していない」と思っていたとしても、黒人奴隷制度の歴史や実際の生活について、どこまで理解しているだろうか。

私も最初は共感を示すために、黒く塗られた画像をSNSで投稿していたが、自分の行為に疑問を持つようになり、Netflixの『13th -憲法修正第13条-』に行き着いた。

そして自分がいかに無知だったのかを痛感し、瞬発的なSNS投稿よりも、時間をかけて知識を得ることに重点を置きたいと感じた。

◇◇◇

容姿、ジェンダー、人種、様々な差別が存在する中、どう向き合っていいかわからない時がある。だからこそ、時折こうやって自分の感情を言語化するようにしている。

もちろん、これだけで世界は変わらない。

ただ、自分の価値観を人に押し付けるような人間にならないためにも、せめて無知なことに対しては積極的に関心を持つようにしていきたい。

Photo by Alex Dukhanov on Unsplash

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