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noteで振り返るE資格への道

昨年春に弥生の社長を退任した際には、今後時間に余裕ができる中で、その時間を使ってしっかりとAIの勉強をしようと目論んでいました。もっとも退任後の半年間は、前半は引き継ぎ、そして後半は15年間務めてきたご褒美の休息期間

10月からは再起動ということで、今後何に取り組むか模索しつつ、ようやく勉強に着手。11月にはG検定を受験し、無事合格。ただこれは小手調べ。自分がやりたいことを考えるとE資格に挑戦すべきと考え、今年2月に受験することをこのnoteで宣言しました

結果的には無事に合格したことはお話しした通りですが、改めて振り返っても本当に苦しい道のりでした。今回は、noteの記事でその苦しい道のりを振り返ってみたいと思います。

2023/12/6 目指せE資格

合格率が高く見えるE資格だが、実際にはかなりの難易度

E資格の合格率は7割程度。これだけ見れば、比較的難易度が低く見えます。それに対し、(かつての)資格マニアである私の、これまで受けてきた資格試験の中でも一番難しいという評価、これがどのように整合性が取れるかわかりますか?

その秘密は、E資格は受けようと思ってもすぐには受けられないという点にあります。そう、E資格を受けるためには、まずJDLA認定プログラムを修了することが必要なのです。そしてこのJDLA認定プログラムが相当大変です。試験を受ける前に基礎知識を学んでくださいねという1日講座のレベルでは全くありません。

2023/12/6 目指せE資格

2023/12/15 E資格に向けて(その1)

JLDA認定プログラムとしてはラビットチャレンジを選択。まずはステージ0そしてステージ1。ステージごとのステージテストに苦戦。この頃は本当に終えられるのだろうかと真剣に悩みました

ただ、キレイな学習レポートを作っただけでは、ステージ1は突破できません。ステージテストに合格する必要があります。ステージ1のステージテストは23問と比較的少なめですが、合格には22問正解する必要があります。間違えて良いのはわずかに1問!

結果的には23問全問正解でクリアしましたが、正直結構きつかったです。ステージ1をクリアしたのが10/13。始めてから約10日間。E資格を取得する以前に、本当にこのプログラムを終えられるのだろうかという疑問がよぎります。

2023/12/15 E資格に向けて(その1)

2023/12/22 E資格取得に向けて(その2)

いよいよステージ2: 機械学習に突入。引き続き数式に苦しみながらも、コードを書く楽しみも。本丸のステージ3: 深層学習(前半)は息も絶え絶えながらなんとか喰らいつくという感じ

機械学習をしっかりと理解するためには、引き続き応用数学を避けて通れません。機械学習をしっかりと理解するためこそ、まずはステージ1で応用数学をみっちりと学んだということになります。しかし現実的には、ステージ1での学びが定着したとは言い難く、ステージ2でも線形代数と微分に苦しむことになりました。機械学習の学習レポートがこちらですが、数式が普通に出てくるのがわかるかと思います。

一方で、機械学習になって楽になったとは言えませんが、楽しくなったのは、実装の演習が始まったこと。サンプルのコードが提供されており、最小限はこれを実行させればいいのですが、それでは学びになりません。私は、コードを読みこなして、とにかく徹底的にコメントを付け、可能であれば自分なりに改善するようにしました。

2023/12/22 E資格取得に向けて(その2)

機械学習での実装演習はほんのちょっとという感じでしたが、深層学習に入ると、実装演習のボリュームも格段に増えます。自分で試行錯誤することで、様々な気付きが得られました。学習率のようなハイパーパラメーターの設定や、勾配降下法のアルゴリズムの選択次第で結果が大きく変わるというのは大きな発見でした。これまで慣れ親しんできたいわゆるロジック系のコードであれば、Aという入力があれば必ずBという結果が出たわけですが、AIの場合にはそう単純ではなく、最適な結果を得るためにはかなりの試行錯誤が必要になるということかと思います。

ステージ3のステージテストは103問中92問正解が求められます。正答率90%は、引き続きやや敷居が低めな方ですが、103問という怒涛の量に息も絶え絶え。一発合格のために慎重を期した結果、午後から始めて終わったのは夜中(笑)。97問正解で無事クリアできた時はホッとしました。しかし本番の時にはさすがに正答率90%は求められないものの、ほぼ同様の100問程度を120分で解き切る必要があります。本当にできるんでしょうか…。

2023/12/22 E資格取得に向けて(その2)

2023/12/29 E資格取得に向けて(その3)

ラビットチャレンジのラスボスであるステージ4: 深層学習(後半)に突入。なんとかプログラムを修了し、晴れて受験資格を得る。しかし、このnote記事を年の瀬のオーストラリアで書くというのも我ながらよくやるなという感じ(苦笑)

12/1には、最後のステージテストに挑戦。ステージ4のステージテストは、E資格受験認定テストということで、E資格の模擬試験的な内容になります。87問中82問の正解が必要、つまり再び正答率95%弱という高いハードル。いよいよラスボス登場という感じでしょうか。

本番と異なり、時間制限はありませんし、資料の参照も自由。その代わりに求められる正答率が高い訳です。1問のミスでも致命傷になりかねないので、これはこれで苦しい。お昼過ぎから夕方までだいぶ時間をかけて、結果は…。84問正解で無事クリアです。結果的に言えば、スタートテストからE資格受験認定テストまでの5つのテストを全て一発でクリアしました。その分テストごとにかなり時間がかかり、苦しい思いはしましたが。

その後、残ったビデオ講座も済ませ、12/3の朝には最後の学習レポートを提出することができました。学習を開始した10/4から丸々2ヶ月間。実に長い道のりでした。

2023/12/29 E資格取得に向けて(その3)

2024/2/22 Ollo Factory

ラビットチャレンジを終えたことにホッとし、12月後半から1月前半はほとんど勉強できずせず。その間に、AIスタートアップ、Olloの会長に就任。本当はだからこそもっともっと勉強しないといけないんですけどね。そしてあっという間に、試験日が到来

先週金曜日にE資格の試験を受けてきました。もう何十年ぶりというぐらい勉強しましたし、ある程度やりきった感はあるのですが、手応えは…、うーん、何とも微妙です。

E資格の試験を受ける前に、出題内容に関して公開しないという秘密保持契約(NDA)に同意を求められるため、具体的なことはいえないのですが、出題の範囲が想定とはだいぶ異なっていました。範囲が異なっているというと語弊がありますね。範囲自体は想定通りなのですが、その中の問題の配分が想定とはだいぶ異なっていたというのが正確なところです。問題として出なかった部分も自分の知識にはなっているため、無駄とは言いませんが、だいぶ「狙いを外された」感じです、苦笑。

結果が出るまで約3週間ぐらいとのこと。それまではドキドキが続きます。

2024/2/22 Ollo Factory

2024/3/8 E資格試験の結果は…

ドキドキしながら待った試験結果。結果は無事に合格。点数的にも一部イマイチな部分はありながら、総合的にはそれなりに良い点を取ることができました

■分野別の得点率
応用数学:100 %
機械学習:76 %
深層学習:90 %
開発環境:100 %

機械学習の76%だけは、正直うーんという感じですが、それ以外は思った以上の得点率でした。分野別の問題の数(これは公表されていませんが、自分の感覚で)を考慮すると、総合得点としては90点にはちょっと足りなかった(86~89点ぐらい)という感じかと思います。

率直に言って機械学習の結果は悔しいです。あれ、どこが間違ったんだろうと記憶を掘り下げていますが、人間の記憶とは恐ろしいもので、3週間前の試験の内容をかなり忘れています(苦笑)。

とはいえ、もともとベストの結果で90点ぐらいを目指していた、それに対し、受験時の感触は良くなかったことを考えると、結果的には相当良い得点だったと言っていいのかなと思います。

2024/3/8 E資格試験の結果は…

次回は今度こそ、振り返り

今回は単なるまとめ記事になってしまいましたが、次回は振り返りということで、E資格で学んだこと、今後受験される方に向けたアドバイス、E資格のあり方などについてお話ししたいと思います。

しかし、石垣島のトライアスロンは肉体的に本当に苦しかったですが、E資格は脳みそ的に本当に苦しかった。こう考えると、肉体的にも脳みそ的にも追い込むとは、我ながらよくやりますね(苦笑)。

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