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泳いだ、漕いだ、走った 2024春 @ 石垣島 (その2)

先週末の4/21(日)に、石垣島でトライアスロン大会に参加しました。当日の天気は晴れ、最高気温は実に30度。トライアスロン日和というよりは、4月だというのに既に暑すぎです。南国の太陽は強烈で、お陰で真っ黒に日焼けしました。特に焼けた両腕は、もう皮がむけてきており、かなり見苦しい状態です(苦笑)。

前回の振り返り

トライアスロンは、スイム > バイク(自転車) > ランの順番で競技を行います。なぜこの順番かというと、危ない順なのかと思います。体力を消耗した状態で泳ぐのは危険極まりないですが、ランは最悪その場で止まればなんとかなるということかと。

今回はオリンピックディスタンスということで、スイムが1.5km、バイクが40km、ランが10kmです。個人的には、大会前一番不安なのがスイム、大会中一番苦しいのがバイク、良くも悪くもなんとかなるのがランなのですが、果たして今回はどうか。

スイムについては、前回「純粋に楽しいと思いつつ泳ぐことができました」とお話ししました。経験を重ねた(これで5大会目)ということもありますが、やはり29.8度という快適な水温、そして何よりも少し泳げば底が見えるほどの透明度という石垣島ならではの環境のお陰かと思います。

スイム1周回(750m)を終えたところ。まだまだ余裕
スイム終了。この海の色!

バイク後半

もっと泳ぎたいと思うぐらいでしたが、まだまだ先は長い。渋々陸の人となってバイクへ。バイクも前半は極めて順調だったということは前回お話ししました。これも練習の積み重ねで体力がついたから、と勘違いしていましたが、冷静に振り返ってみると追い風だったから(笑)。

バイクスタート直後。まだまだ余裕綽々

10kmを超え、徐々に上り坂になっていきますが、下見をして心構えはできているので、ペースを大きくは崩すことなく、着実に前に進みます。この先、石垣島の東岸から西岸に横切る際には結構高度があがり、今回のコースの最大の難所になります(ちなみに山頂まで登るわけではないのですが、その裾野を通ることになる於茂登岳は、標高525m、沖縄県の最高峰です)。

ひたすら念じて登る

スタートから20kmを経過したところで於茂登岳をかすめるようにその裾野を迂回します。武那田原(ぶなたばる)大橋から大本小学校までの1kmちょいがキツいキツい。ギアを下げると軽く漕げるようにはなりますが、そうするとなかなか進みません。しかし、しんどくても漕いでいればやがてはピークを過ぎます。登ればその先に待っているのは下り。下りは軽く40km/h以上出ます。

難所を通過したということで、一気に気が楽になり、景色を楽しんでいると、やがて西岸に出ます。残りは後10km。そして海沿いは実にいい眺め。しかし、あれ、意外にじわじわと上っていくような。最後の10kmは海沿いだから特に問題ないだろうと思って前日に下見をしなかったのですが、それが間違い。実は最後の10kmもキツかった。

西岸沿いは実は5kmほどしかなく、再びその後は丘を超えて市街地に入るコース。そしてこの丘がしんどい。極端な勾配ではないのですが、とにかくダラダラと続きます。何人か自転車を降りて押して歩いている人も。長い長い坂を登り切ったと思ったら、単なるコーナーでその先もまだ上り坂ということがわかった瞬間の絶望感たるや。自分も押して歩いていたとしたら、その瞬間ポッキリと心が折れそうです。

絶望しつつも、なんとか最後の力を振り絞って(←誇張なし)ペダルを漕ぎつつけます。ようやく下りになり、市街地に入った。でもゴールはなかなか見えてきません。ゴールどこー、と涙目になりながら漕ぎ続けてようやくランへのトランジションに辿りつきました。石垣島のバイクはタフだとは聞いていましたが、予想を遥かに超えてヘロヘロ。

今回のバイクコースの標高と自分のスピード。最後の一山がキツかった…

地獄のラン

何とかトランジションに辿りつき、次はランです。基本的に靴を履き替えるだけなので、すぐに走り出せるはずなのですが、もはや体が動かない。水分を補給し、エネルギーゼリーも補給。心はもう無理と思いつつ、まだ何とか動く体は渋々ランのスタート地点へ。

気合いで走り始めますが、全く力が残っていません。特に腿は完全に売り切れ状態。ちょっとでも頑張ったら腿が盛大に肉離れを起こしそうなギリギリなところで何とか走りますが、ここでもまた、わずかではあるものの上り坂。そして太陽は完全に頭上に差し掛かり、かんかんギラギラ。

それでもランのいいところは自ら足を止めさえしなければ、少しずつでも前に進んでいくこと。とにかく足を止めないことを意識して進みます。

上り坂は登りきったものの…、さすがにもう無理。このまま行くと盛大な肉離れを起こすか、あるいは倒れるか、極端に言えば命の危険を感じて足を止めます。すると腿が激痛。やばい。そう、動いているところから止まるのにも筋肉を使うんですよね。走っても辛いし、止まっても辛い、どうせいっちゅうんじゃ(泣)。

歩いて体力を回復させようと試みますが、少し楽になったと思って再び走り出すと、また限界、そして止まるときにも腿が激痛。これを繰り返すとどこかでリタイヤだな、と冷静になり、割り切ってとにかく歩くことに。これは結果的には正解(まあ、正直フラフラもしていて熱中症気味ではあったので、続けることが本当に正解だったかはやや微妙ですが)。

結局スタートから3km以降は、ひたすら速足。まわりも歩いている人がほとんど(早い人はとっくにゴールしているので)。

ただ、そうなると時間が。これまでの大会では3時間半は切るタイムでしたが、石垣島ではバイクがきついということで、3時間半を超えることは覚悟していました。しかしこのままだと4時間も切れない。あれ、制限時間ってどれだけだったっけ? 厳しい大会だと制限時間は3時間45分(横浜)。よくあるのは4時間(例えば千葉シティ)。

ゴールしても実は制限時間越え(TOV; Time Over)で記録なしになるのはあまりに悔しい。何とか4時間を切りたい。とはいえ走ってもそこから止まってしまうと腿に負担がかかる。おそらく最後に走って、途中で止まってしまったらもう先に進めない。でも最後は走らないと4時間は切れない。つまり、最後に走ったら死ぬ気でゴールまで走り続けるしかない。となると問題はどこからラストスパートをかけるか。

残り2kmのポイントでコースは左に曲がり、緩い下り坂になります。ここで勝負をかけるしかない。足が、そして腿が抗議の痛みを伝えてきますが、ここはもう堪えるしかない。

そうは見えないかもしれませんが、文字通り必死の思いでのラストスパート
ゴーーーーーール!!!

そして、長い長い距離と時間を経て、ようやくゴール。タイムは3:59:16と薄氷の4時間切り。後で確認したら制限時間は4時間45分で、実は全然余裕でした(やはりコースの難易度を考慮しているのかと)。とはいえ、やはり自分自身として何とか4時間は切ろうと思い、実際にそれは達成できたので、最低限のゴールは達成できたのかな、と思います。

大会前一番不安なのがスイム、大会中一番苦しいのがバイク、良くも悪くもなんとかなるのがランとお話ししました。蓋を開けてみれば、とにかく楽しかったのがスイム、案の定苦しかったのがバイク、そしてなんともならなかったのがランという結果でした。

戦い終わって日が暮れて

感想はとにかくキツかったの一言に尽きます。それでも曲がりなりにも完走できて、最低線である4時間を切れてよかったと思います。これまでの大会では全体の90%前後でのゴールだったのが、今回は83.4%(942人中786位)でのゴールだったので、誰にとっても苦しい大会の中で、私にしてはまあまあ頑張れたのかなと思います。

この石垣島はシーズン開幕戦。今月には地元横浜でのトライアスロン大会(リレーでの参加)、6月にはSpartan race、そして7月末には再び海を渡って北海道でのトライアスロン大会に出場します。

来年の石垣島については、現時点ではもちろん出ますとは言えない状態です(だって本当にキツかったんだもの)。でも海もバイク中の景色も最高。沿道の応援にも本当に励まされました。初の海を渡ってのトライアスロン大会。本当に出てよかったと思います。来年かどうかはわかりませんが、またきっと石垣島に帰ってきます。

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