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Ollo Factory

先週金曜日にE資格の試験を受けてきました。もう何十年ぶりというぐらい勉強しましたし、ある程度やりきった感はあるのですが、手応えは…、うーん、何とも微妙です。

E資格の試験を受ける前に、出題内容に関して公開しないという秘密保持契約(NDA)に同意を求められるため、具体的なことはいえないのですが、出題の範囲が想定とはだいぶ異なっていました。範囲が異なっているというと語弊がありますね。範囲自体は想定通りなのですが、その中の問題の配分が想定とはだいぶ異なっていたというのが正確なところです。問題として出なかった部分も自分の知識にはなっているため、無駄とは言いませんが、だいぶ「狙いを外された」感じです、苦笑。

結果が出るまで約3週間ぐらいとのこと。それまではドキドキが続きます。

1ヶ月経過

株式会社Ollo(オロ)に取締役会長としてジョインしてからちょうど1ヶ月が経ちました。取締役会長といっても、小さなスタートアップですから、何でもやります。今週はとある地方の工場に二日間缶詰でした。社内では若者に混じって奮闘中。最初は借りてきた猫だったのが、最近はだいぶ自然体になってきたような、笑。

Ollo Factory

前々回お話しした通り、Olloは工場での作業を高精度に解析する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を開発・提供するAIスタートアップです。

Ollo Factoryは、組み立て作業のような人の作業をAIによって自動で詳細に解析する画像認識ソフトウェアです。Ollo Factoryを使えば、作業のバラつきやその原因になっているムリ、ムダ、ムラを容易に可視化することができます。

使い方はカンタン。まずはカメラで、作業を30分から1時間程度撮影します。カメラは何でも構いません。GoProでもiPhoneでも。そしてその動画データをOllo Factoryにアップロードします。アップロードされたデータは自動的にAIによる事前分析が行われます。

事前分析が完了したら、一度は人で作業の1サイクルの始点と終点を指定します(いわゆるOne-shot学習)。そうすると、その作業と同じ内容のサイクルをAIが動画中から自動で抽出します。例えば、動画が30分で、1サイクルの標準時間が3分(180秒)であれば、10サイクル前後が自動的に抽出されます。誤解のないように補足すると、単純に同じ時間で抽出しているわけではありません(それでは意味がありません)。1サイクル180秒と言っても、人がやる作業だけに、例えば速い時は170秒で終わったり、逆に手間取ると200秒かかることもあります。Ollo Factoryでは人の動きをAIで継続的に検出し、最初の動作から最後の動作まで、指定されたサイクルとの類似性を判断し、サイクルとして抽出します。

こうして複数のサイクルが抽出されるわけですが、今度はこれらの複数サイクルを比較することができます。この比較の際には、これもAIによって1サイクルが複数の作業区間に自動的に分割され、この作業区間単位での比較が可能になります。早いサイクルで170秒、遅いサイクルで200秒といったばらつきが発生していたとすると、その差が特にどこで発生しているのかを、区間3で20秒、区間2で5秒といったような形で可視化することができます。

それでは、区間3でなぜ20秒多くかかっているのかを動画で確認すると、取り付ける部品をピックアップする際に手間取っていたり、あるいは、この区間でやり直しや調整が発生しているということが判明するわけです。バラつきを可視化し、その原因となっているムリ、ムダ、ムラを改善することによって、サイクルタイムを徐々に短縮することが可能になります。

無論、たった1回の分析と改善で劇的に全てが改善するわけではありません。小さな改善をコツコツと積み上げる必要があります。

ただ、これまでは、人がストップウォッチ片手でサイクルタイムを計測し、その中でのムリ、ムダ、ムラを発見するしかありませんでした。それはとても手間のかかることですし、改善のペースはゆっくりとしたものにならざるを得ませんでした。

それに対しOllo Factoryを利用すれば、必要な準備作業はビデオを撮影するだけ、後はAIがバラつきを可視化してくれます。人間はバラつきの中からその原因になっているムリ、ムダ、ムラを見出すことに専念できます。

AI-driven Industrial Engineering

もうお分かりかと思いますが、バラつきの中からその原因になっているムリ、ムダ、ムラを見出すというのはIndustrial Engineering(IE)という100年前からある業務改善手法です。それをAIの力で圧倒的に効率化するのがOllo Factoryです。従来のIEは、IEの手法に精通した一部の改善担当者に依存せざるを得ませんでした。また、人手に頼らざるを得ない分、その改善のスピードにも限界がありました。

Ollo Factoryによって、これまで一部の改善担当者に依存していた改善業務を、よ多くの現場リーダーに開放し、結果的に、短期間で大量に実行することが可能になります。Ollo Factoryは、既に自動車関連を中心に既に世界各国の約30の工場で活用されていますが、それをもっともっと広める、全世界の製造業でOllo Factoryを使うことが当たり前のものとするのが、私のミッションです。

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