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シュタイナー学校の宿題〜ラファエル展@ナショナルギャラリー

今週末はロンドン、トラファルガースクエアにあるナショナルギャラリーへ家族4人で出かけました。7月まで特別開催中のラファエル展へ。

もともと見に行く予定だったのですが、ちょうど、息子がエポック授業で芸術史のルネッサンスあたりをやっていて、宿題が出たのです。

「ラファエル展と、常設展に行って、指定の作品を実際に見て考察する。」


ラファエルといえば、The School of Athens (アテナイの学堂)。

壁画なので、イギリスに持ってくることはできないのですが、ほぼリアルサイズで再現されていました。しかも、本物だったら見上げる場所にあるはずの絵が、目の高さにあり、間近に見ることができました。

真ん中の2人↑は、プラトン(左)とアリストテレス(右)。

膝をついて本を広げている白っぽい衣服の男性がピタゴラス。↓

コンパスを使って何かを書いている赤い衣服の男性がユークリッド。↓

その後ろに、こちらを見つめている黒い帽子の若い男性は、ラファエル自身です。↓

いいなあ。こんな古代ギリシャの錚々たる哲学者たちの集まりに、ちゃっかり自分を登場させてしまうラファエル。おちゃめ。2000年近く昔にタイムトリップしてしまうって、夢のような話。

ラファエル展を見て、その後常設展へ。無料開放されている常設展だけでもものすごい数の作品群です。その中にダヴィンチの作品も発見。



それにしても、私は小中高12年間の教育の中で、芸術について何を学んだんだろう。音楽や美術の資料集にはいろいろ載っていたけれど、授業でとりあげることさえせず。

シュタイナー学校では、世界史だけでなく、芸術史、音楽史、建築史などをエポック授業でじっくり学びます。

名前を暗記するとかの知識だけのことではなく、作品にじっくり向き合い、模写をしたり、制作したり、芸術家の人生にふれ、その時代の人たちの意識がどうであったかを深く考える時間をもちます。

人間の進化の過程は、ひとりの人間の成長とリンクしています。歴史をこうやって学ぶことで、生徒たち自身が進化・成長していくのです。


ふたたび、また思う。
私は、高校で何を学んだんだろう。
私という人間を成長させる学びが、授業の中身にあったか・・・。
情報を暗記し、テスト対策の演習に明け暮れただけの「勉強」。

人間の歴史、人間の霊魂が表された芸術というものに、これだけ無知で、社会に出てしまったことに、私はとても恥ずかしく感じるのです。




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