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私はシュタイナー子育て講座も教えているので、若いママたちともよく話す。若いママたちの葛藤や悩みも聞く。

悩みはひとそれぞれだけど、仕事したいタイプの女性にとって妊娠、出産、育児はなんとも悩ましい。私も、「仕事をし続けたいから子どもはいらない」とずいぶん長いこと思っていた。

まあ、ご縁があって、息子が私のところに生まれてきてくれて、私は母になった。子育てするなら1人じゃなくて2人はほしいと思ったら、次男は14ヶ月後に生まれてきた。笑

次男が8ヶ月のときに教壇に復帰した。新米シュタイナー教師として。

子どもを産んだからには、小さいうちは子どもとの時間を大切にしたいと思っていたから、フルタイムではなくぼちぼち。フルタイムでないと言ったって、エポック授業を自分で全部創り上げるシュタイナー教師の仕事は大変だった。

でも、乳幼児の母親としての時間は、正直言って暇だった。乳幼児の子育て中は、まとまった時間はないし、自分の時間はなかなかとれない。でも、細切れの時間が意外とある。細切れだから、なにかまとまったことはやりにくい。もっと仕事に没頭したいのに!・・・って思ったものだ。

ガンガン集中して仕事したいタイプの私には、その、細切れの時間が退屈で仕方なかった。子どものゆっくりペースに合わせる生活が、没頭して超特急でやりたがる私の生活には苦痛だった。

女性は、妊娠、出産したとたんに、仕事を強制中断させられる。産んだ途端「母親」になり、今までとは全く違う人生を歩かなければいけない。新しい人生を構築しなければいけない。

強制的にそんな状況に追い込まれて、悩む。私の人生はなんなの・・・って。

私も悩んだ。しかもイギリスで、今までの学歴も職歴も認めてもらえず、人生リセット状態。

強制リセット。今まで走り続けていたのに、突然止まらなきゃいけない。

女性はこうやって強制リセットさせられて、授乳したり、子どものゆっくりペースでの時間を過ごしながら、「子どもと過ごす」という時間に日々を費やす。今までのように、自分のために何かすることもなかなかできないし、仕事にも集中できない日々が何年も続く。どんなに子どもを大切にして、愛していたって、悶々とすることも、当然ある。


でも、この強制リセットは、女性のチャンスだとも思う。

立ち止まらないと、考えられないことってあるから。走り続けているときには、流されてしまったり、じっくり考えられずに動き続けないといけないから。強制リセットで、一旦停止して考えずにはいられない状況に追い込まれる。

この忙しい現代社会で、じっくり考えられる時間って、なかなかない。あそこで止まって考えたから、自分の生きる道について考えることができた。あそこで悩んだから、使命が見えた。あそこで暗闇に入り込んだから、光が見えた。

私は、これは、女性のチャンスだと思う。
妊娠、出産のない男性には、このチャンスはなかなかない。
日本の社会では、特に難しいんじゃないかと思う。


願わくば・・・チャンスといえども、体も心も大変な妊娠、出産、子育てなので、協力的な理解のあるパパがもっと増えてほしいなーと思う。女性がじっくり考える時間に協力してもらえるように。

日本もそういう社会になってほしいなーと。



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