ドイツ、イギリス 息子たちがシュタイナー学校を渡り歩いてよかったこと
イギリス→ドイツ→イギリスと、シュタイナー学校ばかりを転校した息子たち。一つの学校でじっくりと育つのがいいという人もいるけれど、私は、転校したメリットは大きいと思っています。
それは、それぞれの学校のいいところを体験できたから。
どこにも、長所、短所があります。一つの学校にずっといたら、短所を12年間我慢することになるし、渡り歩いたからこそわかったこと、身についたことも多かった。
なので、ここではメリットばかり(笑)を書いてみます。
メリット1(ドイツ) 学習の習慣が身についた
イギリスよりドイツの方が、宿題の提出管理やルールが厳しい。親が何も言わなくても、ドイツに行ったら真面目に宿題を出すようになった。ルールに厳しいドイツの国民性は一長一短だけど、生活態度という意味では、イギリスよりは日本に近いキッチリしたところがあるのがありがたかった。
メリット2(ドイツ) ドイツ語が身についた
4年間ドイツにいたので、ドイツ語がネイティブレベルになった。英語が第一言語で、第二言語のドイツ語もネイティブレベルというのは強い。
メリット3(イギリス) シュタイナー教育を全うできた
ドイツにいたら、12年生までシュタイナーカリキュラム。1年余分に高校に残って、13年生でアビトゥーア試験対策をする。
イギリスのCSE=Certificate of Steiner Education導入校なので、12年生までシュタイナー教育のみ。12年生で卒業して、一般の試験なしで大学受験できる。
メリット4(独英) 2つの国を知ることができた
国の違いは、外から見るだけではわからない。国に入り込み、そこで生活する。最低2年はそこで暮らさないと、その国の特性はわからないと思う。
国民性の違いも学校の違いも体験したことは、確実に息子たちの糧になってるはず。
メリット5(イギリス) 選択授業のフレキシブルな対応
実は、ドイツにいたとき、次男だけ転校を考えた。次男は大学で物理専攻希望。でも、その学校では希望者が少ない物理は開講しないと言う。アビトゥーア試験も物理ではなく生物で受けなければならない。本人が物理専攻の意向ははっきりしているので、物理を学べる他のシュタイナー学校へ転校しようかと思ったのです。
イギリスの今の学校は、ドイツより小さい。物理選択希望者は、次男ひとり。でも、「希望者がひとりだから物理クラスは無し!」とはならなかった。学校は、次男ひとりのために、新しく物理教師を雇ったのです。なんてありがたいこと。(経営上、大丈夫か?・・・とは思うけど。汗)
メリット6(ドイツ) 立派な設備
ドイツの学校は伝統があるところが多いし、助成金もたくさん出ている。つまり学校の経済的な豊かさはイギリスと比較にならない。(イギリスは助成金ゼロ)
だから、ドイツでは校舎や設備が立派です。大きなクラスが入ることができる教室。音楽室やオイリュトミー室、カフェテリア、特別教室、体育館、そして立派な劇場!!!・・・立派というか、必要最低限のものがちゃんとある。
イギリスの比較的新しい学校は、不動産価格急騰後の設立で、十分な施設を買う財力がなく、妥協ばかりのキャンパスです。公立学校や伝統ある私立校の設備の立派さと比べると、悲しくなります。
友好関係
ドイツでは30人近い大きなクラス。今のイギリスの学校は、大きなクラスで15人しかいない。とにかく小さい。
でも、クラスが大きいからといって、いい友達に出会える・・・ということではないのを実感しました。こればかりはご縁ですね。
ドイツの次男のクラスの男子は、みんなゲーム漬けになっていた。シュタイナー学校なのに、すごく残念。
ゲームをしない次男は会話に加われなかった。もともとゲームに興味がないし、みんながしているからと言ってゲームをする気にもならないので、クラスメートとは表面的な付き合いに終わる。
今は小さな学校で人数も少ないけれど、学年を超えて一緒に遊ぶ友達グループがいる。
大きめなクラスの学校より、小さな学校のほうが、学年を超えて友好関係が自然にできることはすごくいいと思う。
とはいえ、人間関係はやっぱりご縁ですね。校風によって、集まる子供たちも随分と違うし。
結論
シュタイナー学校に入れたからと言って、そこが理想の学校であるとはいえない。桃源郷なんてない。いいことも、悪いこともある。
あちこち渡り歩いて、いいところも悪いところも見てきて、それで良かったと思うのです。一つの学校にずっといるより、ずっと、公平な目でシュタイナー学校を見ることができるようになったこと。学校に無茶な要望も持たない。完璧など求めない。完璧なんてあり得ないんだから。
いいところに感謝しつつ、よくないところは、「じゃ、家で何か補強ができるかな?」「じゃ、何をしようか」と、対策をねって行動していくまで。
でも、絶対叶わないけれど、理想を語ってみよう。
ウィンストンズの音楽(コンサート)と、小学校の教育、その伝統、緑いっぱいのキャンパス。インターナショナルなコミュニティ。エルムフィールドの改革を応援する力と高等部。ヘリフォードの公立シュタイナー学校としての経済状況。セント・マイカエルのカリスマ校長とCSE導入カリキュラム。ボンの伝統ある学校運営と立派な劇場、校舎、カフェテリア運営のシステム。ヒルデスハイムのガーデン。
そして、各学校に必ずいる、素晴らしい先生たちを選りすぐって集結させたら最高。(←これ、一番大事!)
理想は理想。でも、そんなの無理って思って諦めたりせず、理想は忘れない。高い理想を目指す。
そんな想いを、ずっと持ち続けていたい。
いろいろあったけど、それぞれの学校に感謝の気持ちが溢れてきます。
あ、まだ次男、あと一年あるんだった。笑
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