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怪談・奇談

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「名状し難い記事たち」というマガジンの中に不思議な話が結構あったので、別マガジンとして独立させようと思いました。今後怪談的な話はこちらに分類します。
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記事一覧

結婚式に纏わる話を聞いた二篇

結婚式に纏わる話を聞いた二篇

結婚に纏わる話は全て幸せなエピソードとは限らない。中には何とも例えようのない奇妙なエピソードもあるようで‥。

詳細を書くと教えてくれた方に迷惑がかかるのでざっくりとした内容になります。

‥あるカップルがいた。A助君とB子さんとしておこう。

二人は大恋愛の末、結婚をする事にした。式場を決め、内容も二人で色々と考えながら結婚式と披露宴まで三日というところまで来て、二人は大喧嘩。別れる事となった。

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抜き取っている

抜き取っている

東北出身の友達の元カレの話。仮にケイジ君と呼ぶ。

ある日、友達から元カレの話を聞いた。悪い人ではなくて、とても気の利く優しい人だったそうだ。

ただ、ケイジ君は金遣いが荒い。給料が入るとすぐにお金を使ってしまう。

実際、彼の身に付けている服・時計やアクセサリーは高価なブランドもので、安くても数万円はするであろう品物ばかり。その月の給料で買えなければ、クレジットの分割払いを使うのは当たり前。

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‥ここは、寒い

‥ここは、寒い

医療事務時代の同僚、Tさんの話。

Tさんが高校生頃に体験した事。
お盆も近いある晩、Tさんは夢を見た。

夢の中でTさんは墓地にいた。どうやら母方の墓地らしい。

墓に誰ががうずくまっている。Tさんは墓に近づいてみた。心なしかその身体は震えている様に見える。

うずくまっていた人物は、Tさんが小学生の頃に亡くなった祖父だった。

おい、じいちゃんどうした!Tさんは思わず声をかけた。

お祖父さん

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天井

天井

幼馴染のユリの話。

ユリが中学生の頃、自宅を建て直す事になった。
建てている間の住む場所として、隣町の古い戸建てを借りる事になった。

二階建ての古い建物。今まで小さな平屋暮らしだったユリは初めてお兄さんのケイイチさんと別々の部屋を与えられて満足だった。

二階の部屋にケイイチさん、その真下にあたる部屋がユリのものになった。

古い戸建てに引っ越して二、三日経った頃だった。初めは気のせいだと思っ

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バスケットボール

バスケットボール

私の保育所の頃からの幼馴染、ユリのお兄さんケイイチさんの話。

ケイイチさんは私も小さな頃からユリと一緒によく遊んでもらった人で、見た目はヤンキー。

優しい人ではあるけど強面で、両腕と背中に龍のタトゥーを入れている。現在は塗装業をしている。

そんなケイイチさんが小学生高学年の夏休み頃、近所にある「廃屋」に入ろうとした時の話。

近所にある二階建ての家で、ケイイチさんが小学生六年生当時で築50年

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引き戸に張り付く

引き戸に張り付く

高校時代のクラスメイト、N君の話。

N君は小学生の頃、母方のおばあちゃんの家で一人留守番をする事になった。

夕方までには戻るから、とおばあちゃんは言って出かけて行った。

N君の為にオヤツも用意してあって、オヤツを食べながら一人テレビを見てお茶の間で留守番。

おばあちゃんの家は古い農家で、玄関は曇りガラス張りの引き戸だった。

N君は暫くテレビを見ていたが飽きてきた。ふと玄関に目をやると、曇

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UFOの話を聞いた②

UFOの話を聞いた②

医療事務をしていた頃の同僚Mちゃんから聞いた話。

Mちゃんが今の病院ではなく、別の会社で働いていたとき、一度だけ変わったものを見たと言う。

仕事が終わり、会社を退勤した。自家用車で通勤していたMちゃんは家までの帰り道をいつも通りに走っていた。

会社から家まであと半分くらいまで来たが、帰宅ラッシュに巻き込まれてなかなか車が進まない。

Mちゃんは、あぁまた渋滞か‥早く帰りたいのに、と思いながら

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圧迫感

圧迫感

病院で事務職をしていた時の同僚、S君の話。

社会人になって初めての一人暮らし。S君はとにかく独立したくてアパートを探していた。

出来るだけ家賃は安く済ませたいと考えていたS君は不動産屋を何軒か回って自分が納得出来る家賃の部屋を見つけた。

すんなりと契約もまとまり、アパートへ引っ越すS君。その当日の夜。新生活への期待と不安なのか、中々寝付けない。

ようやくウトウトとしてきたのは明け方近くなっ

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閉じずの扉。

閉じずの扉。

私が小学生の頃、祖母と祖母の実家に遊びに行く事が度々あった。祖母のお母さん、(つまりひいおばあちゃん)がまだ存命だったのです。

祖母は自動車の運転が出来なかったので、私と祖母の二人でひいおばあちゃんの家に行く時は、路線バスを使っていました。

祖父母の家から近いバス停から路線バスに乗り、ひいおばあちゃんの家へ向かう途中にそれはありました。

少し小高い丘に建つ白い壁と青い屋根の二階建て木造建築の

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昔、母がお盆に体験した話

昔、母がお盆に体験した話

私が小学生までの頃は、お盆になるとよく祖父母の家に家族でよく泊まりに行っていた。

そんなあるお盆の時期に家族4人で祖父母の家に泊まった時、母が体験した話。

祖父母の家は古く、昭和中期〜後期にかけて建て増しを続けた為にやたらと部屋や階段が多い家だった。

母屋を中心に四方に建て増しした部屋が繋がっている為、敷地に対し何故か建物の中心に玄関がある奇妙な造りになっていた。

私たちが主に泊まっていた

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気配

気配

相方の魚座君の話。

魚座君のが実家に私物を取りに帰った時の事。
自分の部屋に向かう途中、ふっと男物の香水の匂いがした。

あ、親父の付けてたオーデコロンの匂い‥

魚座君はそう感じた。彼のお父さんは彼が20代で鬼籍に入っている。生前のお父さんの職業はアパレル関係で、家にいる時もきちんとした格好をしていたそうです。髪型はオールバックで、オーデコロンをつけていたとの事。

魚座君が自室でクローゼット

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最近聞いた「変わった話」

最近聞いた「変わった話」

この話は私も又聞きというか、きちんと本人から聞いた訳ではないので細かなシチュエーションは不明です。

Sさんという理容師をしている方のお話。とある地方都市で商業施設に入っている理容店に勤務していた。

その理容店のバックヤード、所謂スタッフ休憩室兼備品倉庫があった。

サービス業というのは、スタッフが一斉に休憩を取ることはない。大抵は交代で休憩に入る。

Sさんが入店まもない頃、スタッフが休憩室に

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お墓参りで聞いた話。

お墓参りで聞いた話。

以前我が家のお墓参りに関して少しふれましたが自分の家のお墓以外にも親戚(新盆なくてもあっても行きます)の他に縁のあったお宅のお墓参りもします。

祖父が生きていた頃にはトータル30件以上お墓参りをこなしていたとか。ちょっとしたお墓参りツアーです。今はお付き合いも減ったのでツアーと呼べる程の事は無くなりました。

朝6時にスタートして全て周り終わる頃には10時近くになっています。なので、終わったあと

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