自由とは権力の行使。権力とはお金

　どうしてお金は権力者のもとに集まるのかという疑問は、ひとつの回答によって示されることがある。いわく、権力者はその持っている力によってお金を集められる。だからお金持ちになれるのだと。
　しかし実際のところ、権力をもっていれば財力がついてくるのではない。むしろ反対に、この社会では財力こそが権力を発生させる装置である。

　お金を持っていることこそが、権力であり、権力とはお金にこそ集まる。つまりこの2つは一緒のものなのだ。そもそも、財力があるからこそ権力は発生し、そしてさらなる財力を呼び込むことができる。
　権力とは、財力をより得やすくするための道具とすら言えるのだ。

　そういうわけで、この社会の権力の不平等とは財力の偏りが大本である。力とは金であり、資本である。そして金とは力だ。権力が先にあるのではない。お金が先にあるし、そうである人こそが権力を握りやすいのである。
　だから、私達は自然とお金を求めるように考えてしまう。そうでなければ自由を手に入れられないと思うからだ。自由とは権力の行使である。

　真にそれができるのは、お金と、そこから生じる権力を充分に持つ者だけだ。

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