見出し画像

エンタメを成り立たせる「楽しそう」という見た目

 物事を面白く見せるには、その物事の中心人物が、何にせよ楽しんでいるという「様」が不可欠だ。これは言い換えれば、エンタメというの基本には、その重要人物が楽しい様子を見る、というものがあるということである。
 言ってしまえば、これさえ守られれば、エンタメは成立する。つまり「楽しい雰囲気」だ。たとえ殺人でも、世界の崩壊でも、イジメでも、爪に火をともすような貧しい暮らしでも、その状況における中心人物が楽しそうであれば、それは面白く見えるのだ(そういった悲惨なテーマをエンタメにしていいのか、という議論はあるにせよ)。

 この理由はとても単純で、私達にある共感性である。目の前で誰かが泣けば悲しくなるし、怒っていれば嫌な気分になる、そして笑っていれば面白くなるものだ。
 そして中心人物というのは、その状況における全ての、という意味である。事件なら加害者や被害者、ゲームなら敗者や勝者など、主催者や決済者や発案者ばかりでない、それに関する全ての「影響力のある者」が、それぞれの見え方で楽しくあればよい。
 もちろん、面白そうに見せたいテーマによっては、その「楽しさ」は少しでいいかもしれないし、過剰にしなければならないこともある。中心人物の楽しさによってエンタメを「演出している」ということは、忘れられてはならない重要項目である。

 物事を面白く見せるには、そこに楽しさという感情が必要だ。それはエンタメを成り立たせるための大切なスパイスである。

※このテーマに関する、ご意見・ご感想はなんなりとどうぞ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?