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物語のために「ギャップ」を使いこなす

特に、ストーリー性や設定を作る必要のある創作において、私は「ギャップ」を意識している。
意味合いとしては、何かと何かをくらべたときの差だ。
具体的には、例えば以下のようなものになる。

「嫌いだと言っていたのに、誕生日を祝ってくれた」
「不良が朝早くにゴミ拾いをしていた」
「仲間が爆発に巻き込まれたが、無傷で戻ってきた」

これらにはギャップがあるのがわかると思う。
つまり、「第一印象」と「その実際」に差があるのだ。読者の期待していた通りにはならずに、なんらかの違いが生じている。

しかも注目すべきこととして、その違い・差はプラスになるっているのだ。
ギャップの前後で、印象が良い方向に変化しているわけである。

だから私がギャップを作りたいと思うとき、最初に読者が抱く印象を、少なからず悪いものにしようと試みる。
その後、このマイナスの期待をいい意味で裏切っていく。それが成功すれば、ギャップ成立だ。読者はそのキャラクターや展開により入れ込んでくれるようになる。

なおもうひとつ。
お気づきかもしれないが、強調しておく。
ギャップとは必ずしもキャラクターだけにかかわるものではない。
「期待」と「裏切り」のコントロールさえできれば、それらはギャップをうんでくれる。
だから世界観とか設定とか展開とか、そういうものにも使えるのである。
そういう意味で、私は創作上のあらゆるものにギャップが大事なのだと思っている。
だからこそ、それを正しく捉え、使っていく必要があるだろう。

ギャップとは、「第一印象による負の期待」と「期待が遠ざかることによる正の感情」でできている。
この2つをきちんと連動させ、読者に提供できるとき、その作者の創作はより面白いものになる。

キャラクターのみならず、物語そのものに関して、ぜひこのギャップについて意識してみてはいかがだろうか。

関連note︰
別に、ツンデレについて知ってほしいわけじゃないけど① 「ツンデレの本質」
https://note.com/kawausowright/n/n42b645d59dae

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