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その「自信のなさ」は「思い切る」ために

 失敗は重なることがある。そして重なる失敗は焦りを生み、さらなる失敗へとあなたを導く。人はそう簡単に冷静になれるものではなく、全く迷わないわけでもない。そして失敗とはそのほとんどが、冷静でいられないことと、迷うことによって引き起こされている。

 なぜなら、失敗を重ねるほどあなたは、あなた自身が信じられなくなるからだ。やっていたことが正しくなかったから、それは失敗である。ならば当然、失敗とはそれを起こしたあなたが間違っていたということになる。
 それは自分で自分を否定することだ。自信をなくし、自己否定する。けれど、本来は誰でも自分こそが正しいと思っており、まさか自分で自分を否定するなんて思ってもいない。するとあなたは、本当の自分を取り戻そうとして躍起になり、またしても失敗を繰り返すというわけである。

 失敗が私達に与えるネガティブな影響は、ますます私達を失敗へと引きずり込む連鎖的なものである。だから一度でも失敗してしまうと、私達はそれを挽回するのに苦労する。
 そこで重要なのは「自信のなさ」だ。このような失敗の連鎖から抜け出したり、そもそも失敗を苦にしないために、私達はむしろ、ある程度の自信のなさというのを許容する必要がある。
 自信がないことは一見したところネガティブな感情だが、それは同時に失敗への心構えになる良い感情である。うまくいったと思ったのに失敗だったとか、準備してきたはずなのに失敗したとか、そういう予期せぬ失敗が、私達を狂わせる。
 そこで「自信のなさ」が役に立つのだ。どうせできないだろう、失敗するだろうというネガティブで後ろ向きな精神が、いざ失敗が起こった時の予防になる。だから自信がないことは、むしろいいことと言える。そう考えれば、失敗を重ねることであなたににじり寄ってくる自信のなさもまた、ポジティブに捉えられるだろう。

 誰もが自信の満々に世の中を過ごしたいと考えているが、こと失敗に関しては、自信のなさはむしろメリットである。それは予防になる。だから自信は、別になくてもいい。失敗への耐性を上げてくれるものとして、自信のなさはいつでも隣においておきたい。
 そうしてあなたは、失敗してもまた奮起することができる。

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