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表現するということの本当の意味

 表現とは「表す」のではなく「伝える」ものだ。もっと言えばそれは「納得させる」ものである。ただ表すだけの表現に、本当は需要はあまりない。表現は伝えることを使命とし、表現を求める人々は伝わることを要求する。そして伝わったその先、その表現を納得することを真に欲する。

 表すことと伝えることは根本的に異なる。表しただけでは伝わらないからだ。それは伝わるような形になっていなければならないし、宣伝などの伝わるための方策も取らねばならない。そういう意味で、表すとはただの自己完結型の行為で、それは本来、まだ道半ばである。表したのならば伝えなければならないし、そもそも、目的は納得してもらうことのはずである。
 そのために行動を続けなければならない。表すことに満足せずに、その次のステップを見なければならない。そしてそれこそが、本当に表現するということである。

 だから表現において、「表す」ことを工夫する意味はあまりない。表し方や、その美しさや、技術などはマストなものではない。それよりも、伝えることや、納得させるための工夫をするべきである。

 表現がいつまで経っても洗練されないのは、作者の目が表すことにばかり向いてしまっているためである。その目をより先に向ける時、表現とは「表す」のではなく「伝える」ものだということを実感できる。

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