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ストーリー上の事件を設定するために必要な、3種3段階のツール② 確率編

物語を描くことは、主人公たちの遭遇する事件を描くことと同義である。
だが、この事件を考えるというのはいつも簡単とは限らない。作者も人間である以上、想像力には限界がある。

そこで役に立つのが、確率・影響・距離の評価軸3種である。

※参考:ストーリー上の事件を設定するために必要な、3種3段階のツール① 概要編
https://note.com/kawausowright/n/n85f94f2b6a3d

確率とは、事件の発生確率のことだ。
そしてこの評価軸は、以下の2つの確率を考えるものとなる。

・レア度…その事件そのものが、どれくらい起こりやすいか
・頻度…その事件が、何回起こるものなのか

例えば、

主人公が朝起きて、学校に行こうと家を出る。
今日は特別な日だ。
なにせ、昨日憧れの人と恋人同士になり、一緒に登校する約束をしたのだから。
ウキウキの主人公が歩きだすと、緊急ニュース。
なんと隕石があと数時間で地球に衝突、このままでは人類の危機らしいーー

この場合、事件のレア度は明らかに高い。隕石の衝突など滅多に起きないからだ。
そして頻度に関しては「この物語が終わるまで」のものを考える。すると、これは低となる。隕石の衝突は、それを解決すれば物語のクライマックスとなり、オチを導くのに充分だからである。
このように考え、事件の確率を評価してみる。

すると、もし隕石の衝突の前にも何か事件が欲しい、となった場合。
レア度が高く、頻度は低い事件がすでに予定されているのことを考えれば、その前に起こる事件はレア度が低いか、頻度が高いものが良さそうだ。
このように考えることが可能になる。

また、複数の事件のレア度や頻度を比べて、物語がきちんと盛り上がるように順番を吟味するといったこともできる。

事件の確率とは、そのまま物語を読む側の驚きや興奮に繋がるものだから、このような比較検討が大事なのである。

以上、これが、物語の事件を評価するひとつとしての「確率」である。
それは、物語の盛り上がり具合に密接に関わるものだから積極的に使っていきたい評価軸だ。
事件のレア度と頻度を考えることで、それらを比較検討し、適切な物語の位置にすえることができるようになる。
ぜひとも、活用したい考え方だ。


さて、事件の評価軸にはこれ以外にあと2つある。
影響と距離だ。


●③「影響」編
 https://note.com/kawausowright/n/ndbf38d906206

●④「距離」編
 近日公開

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