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キャラブレをしないために知っておくこと

キャラブレは「起こる」のではなく「感じる」ものである。
だから、それは本来、キャラクターが外側に起こす現象を指すのではなく、キャラクターの内面の変化を表す言葉なのだ。

例えば、辛い物が好きなキャラクターがいるとする。
そのキャラクターが甘いものを食べていたとしても、キャラブレとは言えない。
けれど、そのキャラクターが「香辛料が嫌いだ」と言うのなら、それはキャラブレである。
設定矛盾に当たる。

これはつまり、キャラクターはまず感情や想いがあって、それから行動を起こすという前提からきている。

そのため、たとえ辛い物好きが甘いものを食べていたとしても、「なにか理由があるのかな?」と、キャラクターを見る者は考えることができる。
しかし、キャラクターが「辛いものが嫌い」と言ってしまうのは、弁明の余地がない。言葉にしたということは、そう思ったということなのだから、そのキャラクターは設定矛盾を起こしていると取られてしまう。

※「嘘を言っている」という状況設定はあり得るので、実際はこの前後の流れを含めて考えなければならないが、ここでは詳細は省く。

このように、キャラブレとは内面の問題であるが、しかし、キャラクターは外側を見られるものだということを忘れてはいけない。
上記の辛い物好きが「辛いものは嫌い」ということですら、キャラクターを見る者からすれば、本当にキャラブレかどうか即座に判断できないこともある。
それは、見る者は、どうしてもそのキャラクターが外側に出す言動しか受け取れないからである。

だから、キャラブレかどうかは、見る者それぞれの「感じ」かたによっても異なってくることになる。
そういう意味でも、キャラブレは「感じる」ものである。
キャラブレという現象が、絶対的に「起こる」のではない。

それは、キャラクターの内面という見えないところに端を発し、言動としてまろび出て、受け手に感じ取られるものである。
だから、キャラクターをブレさせないという努力は、とても根気がいる。

とはいえ、キャラクターをブレさせないという意識はものすごく大事だ。
その意識はキャラクターをただの二次元上の存在ではなく、真に生きたものとする。

キャラブレは「起こってしまう」ものではなく「感じられる」ものである。
それはきちんと、作者がコントロールすべきものだ。
少なくとも、キャラクターを見る者が、キャラクターの言動に対してどう感じるのかということを、逐一考える。

そうすることで、たとえ誰かがキャラブレを感じたとしても、作者は胸を張って「そうではない」と言えるのだ。


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