見出し画像

今回のおすすめ本 アリストテレス「形而上学(上)」

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、アリストテレス『形而上学(上)』という本です!


Instagramもよろしくお願いします✏️


 本作はアリストテレスが著した「第一哲学」に関する著作群を、後世の人間が編纂したものとなっています。難読な本として有名で、一度で理解するのは難しいものとなっています。本作は第14巻あるうち第1巻〜第8巻までが収録されています。 

 本作は「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。」(p.21)という一文から始まります。哲学の本質を言い表しているように思えます。人間である以上は無駄なこと・意味のないことだとしても考えずにはいられません。アリストテレスは本作において「存在」に焦点を当てて記述していきます。存在は「実体」「性質」「分量」「関係」「場所」「時間」「様態」「所有」「能動」「受動」という10個に分類します。例えば、実体(例えばソクラテス)に賢い(性質)などの述語が付け加えられることで説明されていきます。

 実体(=個物)を説明する際にキーワードとなるのは「質料(ヒュレー)」と「形相(エイドス)」という言葉です。ここではわかりやすく銅像を例に取って考えてみます。銅像の原材料には銅があり、これを質料と言います。また、銅像には銅像そのものを示す形があり、これを形相と言います。
 つまり、質料は銅像になったり硬貨になったりする可能性を秘めたもの(可能態)、形相はなんらかの意図・目的のためにその形を持ったもの(現実態)と言えます。

 ここからアリストテレスは実体にはそうなる目的があってその質料と形相が決まっていると考えます。これを人間に当てはめるとさまざまな器官には与えられた役割がある(つまり目的がある)ということです。ではその目的を決めているのは何なのでしょうか? アリストテレスはこれを考えていきます。

 上巻では原理や哲学的問題集、哲学的用語辞典を取り上げることで論証するための準備を整えていきます。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,615件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?