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今回のおすすめ本 アリストテレス『弁論術』


みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、アリストテレス『弁論術』という本です!


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 本作はアリストテレスが弁論術を体系的にまとめ上げたもので、古典傑作の一つに数えられています。本作は全3巻が収録されています。


 アリストテレスの師プラトンが弁論術に対して否定的な意見を持っていたことは有名で、以前紹介した『ゴルギアス』『パイドロス』の中でもソフィストを中心として批判していました。その理由として、ソフィストたちの用いる弁論術は事実の正否にかかわらず、説得させたものがちの技法に終始していたからです。つまり、弁論さえ饒舌であれば罪を犯したとしても無罪放免になったり、無罪の人を極刑に処させたりすることができてしまうということです。ソクラテスが無罪にもかかわらず毒杯を飲んで死ぬことになったこともプラトンがソフィスト嫌いになった理由の一つにあると思います。


 アリストテレスはプラトンの基本的な考え方は受け継いでいるものの、弁論術の全てを否定してはいません。弁論術には弁証術に通じる技術であることを認め、正しく運用することを説いています。アリストテレスは「説得推論」という技術を中心に弁論術を体系立てて解説していきます。また、「ロゴス(言語)」「パトス(感情)」「エートス(人柄)」という3つの説得手段を考察し、それぞれに対応する弁論術を解説しています。


 本作は言葉の定義や論点を整理してから考察を進めていくという方針で構成されています。そのため読みやすい作りになっていると思います。アリストテレスの本作は後世に大きな影響を与えています。キケロなど古代ローマ時代からルネサンス期を経て20世紀に及ぶまで多くの哲学者が本作を言及していることから、古典傑作と呼ばれるのも頷けるものとなっています。


ぜひお手にとってお読みください☕️

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