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建設DXコミュニティ ON-SITE X 47都道府県・99社の建設会社と2年目の新たな挑戦へ

こんにちは!静岡県三島市で「まちの元気」をつくっています!加和太建設 広報担当の村上です。

今年2023年7月、加和太建設が運営する建設DXコミュニティ「ON-SITE X」が1周年を迎えました!

改めて、どのようなコミュニティなのか?この1年間でどのような成果が生まれたか?そして、これからどのようなチャレンジをしていくのか、今回の記事でご紹介したいと思います。


はじめに - 建設DXコミュニティ「ON-SITE X」とは


建設DXコミュニティ「ON-SITE X」は、全国の地方建設会社とスタートアップをマッチングし、建設会社が抱える課題の可視化から、その解決を図るためのスタートアップ側のプロダクト開発を支援し、建設業の生産性向上・提供価値向上などにつなげることを目的としたコミュニティです。

取り組む課題は、土木・建築領域の設計・施工・維持管理等の領域を指す狭義の「建設テック」によるDXに限らず、建設会社の持つ慣習や風土などに起因する課題も可視化し、「建設会社全体のDX」に資する、課題解決を目指し活動を行ってきました。

◆ 詳しくは設立時のnote記事やON-SITE Xのnote記事もご覧ください!

1年目は、静岡県内3社で事例創出にチャレンジ!

設立後の1年は、加和太建設を主体者として、木内建設株式会社(静岡市)、須山建設株式会社(浜松市)と静岡県内の建設会社3社が中心となり、スタートアップ企業十数社とコミュニケーションを取り、コミュニティの立ち上げ および 協業事例創出に取り組んできました。

それぞれが取り組んだ事例について、ここではご紹介していきます!

事例①:SORABITO株式会社 × 加和太建設

まず、私たち加和太建設では建機レンタルDXを手がけるSORABITO株式会社と協業にチャレンジしてきました。

SORABITOの皆さんにわたしたちの現場に同行をいただき、今回の共創テーマの見極めを実施。

静岡市に本社を置く太陽建機レンタルの皆さんにもご協力をいただき、建機のウェブ注文を可能とするSORABITOさんが提供する「i-Rental 注文」を実際の現場で活用・実証実験を行いました。

実証実験は、加和太建設新社屋の建築現場で行いました!

これまでは、たくさんのカタログから現場に必要なレンタル品を電話で注文していました。このシステムを活用することで、Web上で時間を問わず発注が可能となり、発注者である加和太建設・発注を受ける太陽建機レンタルさん双方に業務効率化のメリットが生まれました。

また、多数の建設会社から建機レンタルの注文を受ける太陽建機レンタルさんにとっては、電話注文だと朝早い時間 / 夕方以降の遅い時間の注文が元々多かったのだそう。

Web注文になることで電話が集中することもなく、使える時間が増えたり、業務時間の平準化がしやすくなったりというメリットも見出せているとのことでした。

引き続き、この取り組みはより幅広く展開ができるように、関係する各社と協業を進めていきます!

◆ SORABITOさんの公式noteはこちら


事例②:燈株式会社 × 木内建設

続いて、建設DXに挑む東京大学 松尾研究室のAIスタートアップである燈株式会社さんと、木内建設さんの協業です。

こちらの2社はON-SITE Xを通じたマッチング後、定期的な打ち合わせを重ねて、どのような取り組みをできるか検討をされました。

その結果、木内建設さんではこれまでにもBIM活用やDX推進の社内普及活動を試みたものの上手く進まなかった状況の原因として、メンバー間・部門間での意識の違いに着目

まずチャレンジしたのが、DX推進に必要な意識改革改革とスキルアップです。

燈さんにより、マネジメント層向けにはAI基礎知識と建設業界への展開可能性の講義、若手社員向けにはデータ分析を学ぶワークショップを開催しました。

◆ 詳しい様子はON-SITE Xのnoteへ!

この取り組みにより、DX推進をしていくために社内で実現したいことの言語化と共有がされたと同時に、建設DXの最終確認は人の経験と目も必要であるという理解促進につながったのだそう。

また、理解が深まった上で2社協業で新たなプロジェクトもスタート。
現在は高速見積もりを実現する「超概算」AIモデルの構築・活用に着手し、具体的な業務効率化につながるDX推進が加速しています。

燈社の皆さんと木内建設・ご担当の皆さん

事例③:株式会社ソミックトランスフォーメーション × 須山建設

最後の事例は、株式会社ソミックトランスフォーメーションさんと須山建設さんの取り組みです。

須山建設さんでは、建設業就業者の減少・高齢化という業界全体の問題に着目し、重量物の運搬を誰でも安全に対応でき、なおかつ省力化につながる取り組みをしたいと、ソミックトランスフォーメーションさんとの協業に着手しました。

ソミックトランスフォーメーションさんが提供するのは、作業支援ロボット「SUPPOT

遠隔操縦と作業者の自動追従が可能!100kgまで運搬してくれるSUPPOT

須山建設さんの現場である浜松市立神久呂小学校後者改築工事(建築工事)と、緑恵台災害復旧工事(土木工事)において、SUPPOTを導入することとなりました。

学校間仕切り運搬支援、アルミサッシ運搬支援、ガラス運搬支援、モルタル埋作業支援などに活用し、実際の現場での活用拡大を模索しました。

自動追従機能を利用することで、資材運搬の大変さが軽減されたことを実感。実際に人工削減にもつながりました。

実際の現場での活用の様子。複数人必要だった作業の人工削減が実現!

活用してみることで、より狭い場所での活用や垂直異動を可能にする方法、耐荷重の増加等具体的な課題も見出すことができ、協業した双方にとって大きな前進があったそうです。

これまでの成果や今後の展望について、スタートアップの県内企業の協業等を加速させるイベントTECH BEAT Shizuoka 2023でもパネルディスカッション形式で紹介させていただきました。

全国47都道府県 99社まで建設会社の参画が伸長!2年目はスタートアップとの協業で建設DXを加速!


ここまで事例をご紹介した通り、この1年間は静岡県内3社でのコミュニティの立ち上げ および 協業事例創出を行なってきましたが、それと並行して、全国の地方建設会社でON-SITE Xの主旨に共感いただける企業の皆さまにお声がけをしてきました。

全国47都道府県、参画企業数99社、売上総額規模 約8400億円というスケールにコミュニティを拡大果たしました!(2023年8月末時点)

今後は、コミュニティ参画の地方建設会社に対しスタートアップの紹介・マッチング、交流会、情報交換の機会提供など、コミュニティ活動を加速させる予定です。

参画するスタートアップについては、これまでに協業を実現した企業の他に正式リリース版のプロダクトを有するアーリー期(顧客獲得・機能改善)の企業を中心に積極的に募集していきます。スタートアップ各社のプロダクトの評価・検証、顧客開拓、ファンづくりなどを後押しし、スタートアップの皆さんにもこのコミュニティとご縁ができることでメリットが生まれるような仕掛けをしていきます。

また、コミュニティに参画する建設会社にとっても、先進技術・事例等の知見獲得、実際のプロダクトを通じた生産性向上の機会獲得など、DXを実現する機会提供ができるよう、さまざまな取り組みをしていきますので、多くの方にご注目いただけたら嬉しいです。

事例創出から、社員の変化も成果に - 全国に輪を広げる2年目に向けた思い


最後に、2年目を迎えた建設DXコミュニティ ON-SITE Xの事業責任者である加和太建設 スタートアップ共創事業部の近藤剛さんに、1年目の振り返りと、これからに向けたコメントをいただきました!

ON-SITE Xに携わる加和太メンバーと協業中の住友商事の皆さん!(近藤さんは右から2番目)

ON-SITE Xは、日本全国の地方建設企業とスタートアップを繋ぐコミュニティとして、設立当初から全国でのコミュニティ活動を念頭に置いていました。

しかし、まだまだ閉鎖的な建設業界において、同業他社とオープンな関係を築き、お互いの課題を共有し、問題解決のためにスタートアップと連携し合うコミュニティを運営することは、私たちにとっても初めての挑戦でした。

そのため、2022年7月からの1年は静岡3社の建設会社に限定し、コミュニティ活動の全国展開に必要な知見を蓄積するフェーズとして、どのように建設会社間の関係性を作るのか、どうしたらスタートアップとの共創が生まれるのかなど、検証サイクルを回してきました。

具体的な共創事例はこの記事にも記載されていますが、それと同様に今回の成果として感じているのは、ON-SITE Xに関与したことで刺激を受けた現場職員が、それぞれの会社で新しい変化を引き起こしていることです。

2年目を迎えたON-SITE Xですが、日本各地の地方建設会社の仲間たちとスタートアップとの出会いを通じて、この変化をより多くの建設会社で生み出すことで、地方建設会社とスタートアップがタッグを組んで課題解決に挑む未来の実現に向けてコミュニティ運営に取り組んで参ります。

この9月から、全国99社の建設会社とスタートアップとの出会いを生み、さまざまな事例創出に取り組む新たなフェーズがスタートします。

今後もnoteやさまざまなプラットフォーム・機会にON-SITE Xの取り組みをお届けできたらと思います。楽しみにしていていただけたら嬉しいです!



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