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「メンやば本かじり」いらいら編

 てなわけで、「メンタルがやばいときは、本をひとかじり」第二回である。

 知らんがな。

 そう言いたかろう。

 ミートゥー。

 私もこの先、このマガジンがどうなるのか、正直わからん。

 先行きぐらぐらぐりとぐらである。

 ちなみに、小さなねずみ、ぐりとぐらが作ったのは、大きなカステラだ。(『ぐりとぐら』(複音館書店/なかがわりえこ作 おおむらゆりこ絵)

 カステラ、それは崇高なる焼き菓子のこと(単に私が好きなだけだ)。

 カステラの原型となる「ビスコチョ」が誕生したのは大航海時代、15から16世紀だそうだ(福砂屋さんによるサイト、カステラ文化館より)。

 ちょっとここで、カステラについて知りたくなった方は『カステラ文化誌全書』という書籍が平凡社から出ているので、そちらをどうぞ。

 なんて気軽に言ってみたが、まさかの一万円超えだ。つよい。最強装備ボタンを押したら、真っ先に装着されるやつや。

 とはいえ、現在は絶版状態であり、古書を購入するか、東京都立中央図書館などで読むしかないが。平凡社さん、復刊たのんます。

 ま、そんなこんなでとりあえず、今回もメンタル復活、やってみよう! 

 メンタルがぼろぼろのとき、いらいらしてしまうことはないだろうか。

 残念無念、私は、ある。

 いらついても、いいことは全くない。

 それくらいはわかっている。

 だが、解消される方法も見つからず。うーん。

 そんなとき、自分よりさらにいらついていそうな人が近くにいたらストレスフルわっしょいだが、本で読むには害もなく、

「いやいや、お前ちょっと落ち着け」

 と冷静になれたりするものだ。

 てなことで、今日は、笑えるくらいいらいらしている人が登場する書籍を紹介しよう。

 それは『昆虫──驚異の微小脳』だ。

 微小脳と言われると、つい

「わたくしの出番ですね!」

 と、言いたくなるのはなぜだろう。

 そんな話はまあええか。

 本書に登場するいらいらしている人、その名は、モンテーニュ、そしてパスカルだ!

 ハエは人をいらいらさせる天才である。(…)フランスのモンテーニュやパスカルもハエのぶんぶんという羽音には「精神が殺される」「理性を麻痺させられる」と愚痴をこぼしている。

『昆虫──驚異の微小脳』(中公新書)水波誠 著

 殺される!! ハエに殺される!! 

 いやあ、ハエに殺されるという危機感を抱いたことはなかったわ。

 そう考えると、そこまで私は、いらいらすることはなかったのかもしれない。

 いかん、いかん、いらついていた私よ。

 ハエに殺されることはなかろう。落ち着け。

 いらついてたとき、たのしかったかい? 違うだろ?

 そう、いらついても良いことなんて起きないのだ。あのホーキング博士も仰っているではないか。

(…)担当編集者であるピーター・ガザーディーは、私が適切に説明していないと思われる箇所について、意見や質問をつぎつぎに書き送ってきた。白状するが、(…)私はかなりいらだった。でも彼は正しかった。

『ホーキング、宇宙を語る』(ハヤカワ文庫)スティーヴン・W ・ホーキング 著 林一 訳

 正直やな、博士。 

 いらいらを抑制することで、ホーキング博士は著書が良くなったと語っている。

 天才も「ああ、いかんいかん、いらっとしちゃった」なんてこともあるんだ。

 なんだか、ほっとするぞ。

 え、ほっとしたのはお前だけだって?

 お前の文章を読んでも、いらいらは解消されなかったって? 

 そんなあなたは、パスカル、モンテーニュ部屋、通称ハエぶんぶん部屋へ!! 

 さあ、痛みを忘れるためには、新たな痛みを!!

 なんてことは言いませんよ。

 うーんそうだなあ。どうします?

 ま、また次回よろしくお願いします(逃げます)。

■書籍データ
『昆虫──驚異の微笑脳』(中公新書)水波誠 著
難易度 ★★★☆☆  昆虫に関する知識がない人でも読める。昆虫入門書。

昆虫入門書ではあるが、メインは昆虫の行動や脳について書かれた書籍だ。なんと、パブロフの犬でお馴染みの「古典的条件付け」はミツバチでも起こるそうだ。昆虫に対する見方が変わると言っても過言ではない、驚きと発見の書。


『ホーキング、宇宙を語る』(ハヤカワ文庫)
            スティーヴン・W・ホーキング 著 林一 訳
難易度 ★★★☆☆ 数式は出てこないが、ど、どやろ。星四つでもよかったかも。

説明不要の世界的に有名な物理学者、ホーキング博士による書籍の邦訳版。数式を一切入れないことにこだわったという本書は、数学が苦手な人でも読める物理学の書籍だ。とはいえ、やはり、物理学を受け入れようとするある程度の知識と、柔軟さは必要だ。

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