かわせひろし

漫画家/小説家。SF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』編集長。ケッタ…

かわせひろし

漫画家/小説家。SF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』編集長。ケッタ・ゴール!描いてました。SF児童小説「宇宙犬ハッチー 銀河から来た友だち」(第11回ジュニア冒険小説大賞受賞作)発売中。柏出身レイソルサポーターで、科学好きの宇宙好き。

マガジン

  • 創作集団プロミネンス

    • 69本

    「創作集団プロミネンス」とその会員の皆さんの活動をお知らせします。 「創作集団プロミネンス」は、その前身である「少年文芸作家クラブ」時代から半世紀近い歴史を持つ、児童書の作家・画家の職能団体です。 現在、岩崎書店と共に、「福島正実記念SF童話賞」(中学年向け)、「ジュニア冒険小説大賞」(高学年以上向け)というふたつの児童文学新人賞を運営しています。 「少年文芸作家クラブ」は1968年秋に発足しました。 規約には「本会は少年少女を対象としたエンターテイメントの創作、ノンフィクション、翻訳、美術を職能とする者によって、構成される」とあり、 初期の名簿には故石ノ森章太郎氏も名を連ねていました。 規約の文言は「本会は主として年少の読者を対象とした創作、ノンフィクション、翻訳、美術を職能とする者によって構成される」と修正されましたが、 現在も発足当時の精神を受け継いでいます。

最近の記事

小説投稿サイトのいま

9/6から9/8までの三日間、僕も参加しているNPO法人HON.JPが、HON-CF2024というイベントを開催していました。 僕はCFという略語を見るとセンターフォワードCentreForwardと当ててしまうサッカー脳。次点がカフェCafeですね。どちらも外れです。 正解は出版をめぐる色々な話題についてのカンファレンスConference。現地参加もありオンライン参加もありで3日間という、大規模イベントです。 僕は週末ちょっとバタバタしていて、リアル参加どころかオン

    • 苦戦中と宣伝中

      原稿の苦戦は続いています。 とにかくシリアス現代劇なのが、苦戦の原因ですよ。 ポンコツロボも、宇宙人も、しゃべる犬も出てこないんですよ。いかに自分がそれに頼って話を進めていたか、痛感します。サッカー漫画でさえ、しゃべるジャガーを出しましたからね、僕。 正確に言うと、僕が話を進めようとする時、楽しいコメディタッチのシーンがあるとリズムが作りやすく、ポンコツロボ等のキャラがいると画面に出てきた瞬間にそういう雰囲気が作れるということなんですよね。 苦戦中のお話も一応犬は出て

      • スナックコンテンツではないもの

        こちらの記事を読みました。 電子コミック戦国時代、「どこも同じ」大量生産に無料利用…“スナックコンテンツ化”にどう挑む? ORICON NEWS 24/8/20 コミックシーモアへのインタビュー記事。現在の電子コミック市場について。 その中で、僕が以前から考えていたことに関連しているなと思ったのがこちら。 よくwebtoonを漫画の進化系のように持ち上げた記事があるけど、実際に読んだ感触だと従来のコマ割り漫画とテンポが違うので、描けるものも違ってくるんじゃないかと考え

        • 原作通りでも

          僕はここで何度か、日本テレビのドラマ『セクシー田中さん』の著作人格権の侵害とその結果の原作者の自死について書いているのですが。 あの辺の情報を追っていると、比較対象としてアニメについての話が流れてきます。 アニメは漫画原作が多いわけですけれども、この手の作品のテーマをまるっきり無視したような大幅改変は、あまり聞きません。 アニメファンと原作の漫画ファンが被っているので、そういうことをするとめっちゃ嫌われますからね。ドラマはむしろ、タレントありきなところがあるから、原作軽

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        • 創作集団プロミネンス
          69本

        記事

          日本テレビの村の掟

          ドラマ化に当たって原作者の意に添わぬ改変を繰り返し、とうとう原作の芦原妃名子先生が脚本を執筆。それに不満を覚えたドラマ脚本家相沢友子氏がインスタグラムにコメント投稿、事実と違うと芦原先生が反論投稿して大騒ぎになり、とうとう芦原先生が自死する事態となった『セクシー田中さん』の問題で、日本テレビと小学館双方から調査内容が発表されました。 これに関しての僕のスタンスは以前書いた通りで、そもそも論として著作者人格権の侵害なので言い訳のしようがないはずだ、というもの。 その観点から

          日本テレビの村の掟

          ウイルスライダー

          「寄生生物が宿主を操る例としては、ハリガネムシが有名だね」  とある大学の一角。古ぼけた印象をぬぐい切れない研究室。だが机の上の実験器具はきれいに磨かれ整然と並んでいて、その部屋の主の性格を物語っている。  部屋にいたのは二人の男。一目で年長とわかる白髪交じりの家長と、若い会田。先の家長の言葉を会田が引き継ぐ。 「そうですね。カマキリやコオロギを入水自殺させるやつですね」  家長はうなずいて続きを促す。自身の研究室の院生である会田の、研究についての相談を受けている。  この程

          ¥100

          ウイルスライダー

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          文学フリマでした

          5/19日曜日は文学フリマ東京38でした。 今回から入場無料ではなく入場料1000円となったので、お客さんの入りはどうなのかなと思っていたのですが、かなり入っていて盛況となりました。もうちょっと影響出るかと思ってた。こういう創作界隈のみんなの熱量は、本当にすごいなと思います。(追記:前回の文学フリマ東京37が来場者数12,890人、 今回は12,283人だったそうです。) その熱を体験していて、ふと興味深いと感じるのは、商業出版の趨勢との間に乖離が起きている点です。 こ

          文学フリマでした

          文学フリマに出ます

          文学フリマ東京38に出ます。5/19(日)東京流通センター 12:00〜17:00。『え40 かってに応援団』です。カタログこちら。 このあいだ、発売開始いたしました『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE09』を会場特別価格で頒布。 さらに現在、お手軽コピー本を制作中です。いつものSF掌編です。最後ちょっとゾクッとするホラー寄りを目指しています。 今回より文学フリマ東京は、混雑対策もあって入場料1000円をとなりました。(18歳以下は無料)これがどう影響があるのか。

          文学フリマに出ます

          2023年出版市場データとその感想

          こちらの記事を読みました。 2023年出版市場(紙+電子)の占有率はコミック43.5%:書籍(コミックを除く)39.9%:雑誌(コミックを除く)16.6%に ~ 出版科学研究所調査より HON.jp News Blog 24/4/30 出版市場の定点観測記事。見やすいグラフになっています。鷹野さん、いつもありがとうございます。 そして、この話題には毎年反応しているのですが、毎年毎年同じ反応だということに、やばいなあこれと、危機感を覚えています。 漫画はいいのです。電子

          2023年出版市場データとその感想

          ガンズ9号発売!

          『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE09』発売しました! まずはこちらがまえがきです。 今回の目玉は、山田佳江さんのシリーズ新章『アンフォールドザワールド・アンビバレンス』の連載開始です! 前回のアンリミテッド最終回が明けて、平穏な学校生活に戻ったように見えながら、そこかしこに気になるシーンが散りばめられています。山田さん、さすがの筆さばきです。 拙作『キャプテン・ラクトの宇宙船』はとうとう行方不明だった両親の手掛かりを得て、遠征に出発しました! 宇宙艦隊というワード

          ガンズ9号発売!

          ペンネームとブランディング考

          こちらの記事を読みました。 ペンネームを“減点対象”に……江戸川乱歩賞の講評がSNSで議論呼ぶ 「作品だけで評価すべき」などの声 ねとらぼ 24/4/26 ミステリー小説の新人賞、江戸川乱歩賞の中間選考結果が出て、各作品への講評が発表されたのですが、そのうちの一つで、ペンネームが減点対象と触れていたのが話題になっていました。そのペンネームは『がにまた』。確かにユーモラスな名前ではあります。でも、それを理由に減点というのはどうなのかと、賛否両論湧き上がっています。 この件

          ペンネームとブランディング考

          文学フリマとガンズ9号

          文学フリマ東京38に出ます。24/5/19(日)12:00〜17:00 東京流通センター第一展示場・第二展示場『え40 かってに応援団』です。 現在そちらに新刊として出すための、『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE09』を制作中であります。 多分ページ合わせをするための原稿を作るのが一番大変。 文学フリマ東京は、この間も触れましたとおり入場有料化となります。ふらっと覗きにくる一見さんがいなくなるということ。わざわざ1000円払うのですから、最初から戦利品を期待できる状

          文学フリマとガンズ9号

          文学フリマ有料化

          文学フリマ東京38から一般の入場が有料化されます。そちらの案内が出ています。 最近来場者がとても増えていて、経費増の問題もあり、それに伴う施策とのことです。 出展する側から言うと、なんとなくふらりと軽い気持ちでも来ることができる方が、出会いがたくさんありそうでいいなと思うのですが。 有料になるということは、その分ハードルが高くなっている。1000円払っても損はないと思っている人たち、すなわちもう買うものが決まっていて、目的がはっきりしている人が来るということになります。

          文学フリマ有料化

          低品質書籍

          こちらの記事を読みました。 GoogleブックスにはAIが生成した低品質の書籍が数多く転がっているとの指摘 Gigazin 24/4/5 Googleブックスで上位に表示される書籍が、生成AIで作られた低品質の本ばかりになっているという記事。 以前、生成AIについて触れた記事で、どういう人がAIで作品を作るのかということに触れました。それはきっとお手軽に儲けようとする人なので、一生懸命書けば書くほど流行りから外れていく性質の自分にとっては、戦う相手ではないだろうと思って

          東京となかよくなりたくて

          先週の記事で、書店の行く末についてけっこう厳しめの話を書きました。 ただ僕自身は紙の本は絶滅はしないと思っていて。 ただ単純に書店が潰れていくのを、公金を突っ込んで保護しようという姿勢に反対なだけで、本の文化としてはより進化して新しい形態に変わっていくんじゃないかなと思っています。 ということで、記事の最後に応援したいと一節くっつけたのですが、じゃあ実際、具体的にどういうものをイメージしているのかというと。 こういう記事を見かけました。 「無名の本でも好きになってく

          東京となかよくなりたくて

          書店の今後

          こちらのニュースを見ました。 このニュースが流れると、関連して本屋に対する支援策のアイディアが色々と流れてきました。現場の人から消費税についてとか、図書カードを配るとか、流通に関して本屋の取り分を増やすとか。 ただ正直言うと、そういう問題じゃないと思っているのです。そもそも論として、未来の本屋がどうあるべきかということが、論じられていないからです。どんどん数を減らしていくリアル書店を保護しようという話になっている。 特にここで問題になるのは、語る人のイメージと実態がずれ