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みんな本当は揺れているし、そんな気持ちが人の魅力~その曲を聴いて思う~

 体調がここしばらく良くなかった。少し久しぶりに一週間ほど強い倦怠感が続いて。がんばれば動けるから、ダラダラ過ごすより良いと思うのに、そのしわ寄せで、より長時間休まないと治らないなんて加減が難しいなあ。
 嘆かわしいと落ち込まないように、できるだけ心穏やかに過ごそうとする。

 でも本当はその前から気持ちがしんどかった。時々この波がやってくる。どうせまた復活するとわかっていても、立てなおすのに少し時間がかかる。漫然と待っていれば元気が出てくるってものでもない。
 自然の中を歩いてみたり、音楽聴いてみたり、大好きな映画を観返したり。苦しみを解消しようと模索してみる。
 そしていつも意外なところに自分の元気ポイントを発見したりもする。

 今回は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3」があって良かったなあと思う。
 映画は、その時の自分の心の中も表れるし、つまり受け取り方も変化する。特にこの映画は圧倒的に送ってくる愛が強いから、「こんな感情になって」と押し付けられているものがなく、ただ愛を受け取れる。揺れる気持ち、家族への思い、人を思いやる心を、荒んだ世界から。使われている曲だけじゃなく映画自体がロックなんだよなあ。今もサントラを聴きながら書いている。

 オープニングで「CREEP」という曲が流れる。
 ガモーラを想うクイルの心情。と初見は思うのだけど、全部観終わると、ロケット自身のことを歌っているのだと泣けてくる。

 「2」でもそうだったけど、一度観終わってからオープニングソングの意味がわかるってグッとくるんだよなあ。曲が好きでベビーグルートが可愛すぎて、この映画の世界観が表れていて大好きだから付けておく。

 「3」でかかる「CREEP」は、タイトル通り陰気とかうじうじしたようなネガティブな意味。最近で言うところの「キモイ奴」。キミにとって特別だったら良いのにどうせ俺なんてさ~って卑屈な気持ち満載の曲で、これが良いんだよなあ。
 この曲で始まって、「COME AND GET YOUR LOVE」で終わる(「1」のオープニングでもかかる)から、気持ちが変化した意味に取れなくもないけど、私は変わったとは思っていなくて。だってこういう部分てすっかりは消えないもん。
 きっとそんな自分も受け入れられたのだと思う。

 この「CREEP」がめちゃめちゃ好きなのは、そもそも私は90年代ロックが好きで、当時、陰鬱なタイプのロックが多くてなじみがある。当時のバカ明るいロックも好きよ。

 その昔、映画「Singles」が大好きだった理由の一つは、挿入歌がどれもこれも好きだったからでもあった。グランジロックと言って、陰鬱で湿っぽくて重たいのが特徴。
 「CREEP」は当時の重たさ、暗さを感じさせる曲調なのと、さらに卑屈な歌詞。

 こういう気持ちって、良くないとされている。不安定な暗い気持ちって、情緒を心配されるし。
 でも本当はみんな抱えているよね。
 普段は表に出ないそんな気持ちを叫ぶ曲があったって良いじゃないか。

 だって私たちは揺れる。
 自信に満ちた日々で、その信念が揺らぐことないとしたら、それもその人の人生だからかまわないのだけれど、その強い心を保つのに揺れたりもするよねきっと。

 noteで、よく読む方についてはこの人の個性、あの人の個性、と一人ひとり感じる。その人独自の生活や視点を楽しんでいる。しんどい時は読めないこともあるけど、楽しんだり笑ったり考えたり心が温まったり。
 皆さんの書くもの、描くものは、私にとってその人自身の魅力。自分の気持ちによって読めるもの読めないものはその時期によってちがう場合もあるけれど。
 中でも人の心の揺れとか矛盾とか葛藤する心。エッセイってそこに魅力があるんじゃないかなと、少なくとも私にとってはそうなのだ。一緒に感情が動くようで。

 いろんな感情を書くのは自由なのだから、単に私の精神状態によるのだろう。ただ何かや誰かに対して競争意識があるのだろうなあと感じる強気な内容を目にしてしまうと、しんどいよなあ。
 信念あるものの主張は私にもあるしすることもある。以前は特に時々やらかしていた。でも自信ある揺るがない態度も表情も信念も、ただただ強くて立派だなあって見てわかるんだもの。
 それに同じ立場でも、そうじゃない人たちだって山のようにいるから、信念のように主張されると単純に悲しくなるのだよね。
 自分も省みる。

 心揺さぶられるものは、その人の迷いとか葛藤が表れているものだなと最近感じた。
 ご当人の上げているものは淡々としていても、コメントにだけ表れていたって好きだなあと思う。なんならスキ一つでもその人の気持ちを感じるものね。
 普遍的でもある心の揺れ。そしてその人だけの心の物語。
 そんな人や文に魅力を感じる。だって人間なんだもの。
 明るいだけじゃない。立派な結論だけじゃない。良い時も悪い時もあるよね。気持ちだって揺れるし、一人の中に多くの面があるよね。

 それは変えなくてはいけないものではなくて、受けいれたいもの。

 そんなふうに思って自分の気持ちを奮い立たせている最近。


 映画は、アコースティックギターのヴァージョン。こっちのエレキギターのヴァージョンも好き。50秒の辺りからサビの部分、めちゃめちゃ良い!



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