見出し画像

ツリーにもオーナメントにも思い出だらけ

 クリスマスツリー、今年は飾るのしんどいなー! と思いながらツリーやオーナメント、置き物などの飾りの入った箱を出してひと休み。フタだけ開けてひと休み。
 何もかもに気分が乗らなくて体調も今一つだったけど、箱からそれぞれを出していると楽しくなってきた。

 クリスマスの飾りだのイルミネーションだの、やたらに好きなのは幼少期の経験から来ているのはまちがいない。

 初めてツリーを買いに行った50年近く前。3歳のころのニュージャージーでの風景をよく覚えている。
 1階建ての店舗かと思いきや、地下一階まであった店舗。階段の踊り場から幻想的な世界に引きこまれた。地下一階は少し暗めにしてあって、それぞれのツリーに電飾が光っていた。

 両親はとても気に入ったツリーを見つけたけど、オーナメントや電飾込みだと思いこんでいて、購入した箱を持って帰り家で開けた時に「あれ! 木だけだわ!」と大笑いしたらしい。
 後日、改めてオーナメントや電飾を買いに行った。
 電飾は、小さな花みたいなデザイン。花と言ってもつぼみが少し広がったくらいの。花びらの先端は丸くて、ガクの部分が光る。6枚ほどで囲ってある花びらのために、その光は穏やか。点滅もランダムでゆっくり。今では古いデザインなのかなあ。店頭では見かけない。
 オーナメントも、飾る時にいちいち「可愛いなあ」と心がほかほかした。

 時々父がニューヨーク市に、ロックフェラーセンターの20メートル以上あるツリーを見に連れて行ってくれた。目の前には雪の結晶みたいなものが並び、天使がラッパを吹いている、光るオブジェ。この風景を見たくて再びニュージャージーで暮らしたようなものだ。(大人になってから見た時には、ツリーが息をのむほど美しく感じた)

 ある夜。いつもはそんな時間にほとんど出ないのに、父がドライブに連れて行ってくれると言う。わけもわからず後部座席に乗ると、あっという間に窓に貼り付くことになった。
 庭に飾られる美しい人形や、家を囲うように飾られた電飾に目を奪われた。
 ゆっくり車を走らせて見た近所の風景は、やはり私の心の中に在り続けている。

 2メートルほどのツリーは日本に持って帰って、長い間、父と私とで飾り続けた。めちゃくちゃ面倒くさい作業だったのでブツブツ文句言いながらだったけど、出来上がるとキレイなのでうれしかった。

 大学を卒業してデパートで働き始めると、クリスマス時期には仕事終わりに必ず雑貨屋に寄って、オーナメントを物色した。格別気に入った物を自分の給料で買えるのは喜びだった。
 そこで買った物の一つ。

少しずつ買い足していっていた

 2メートルくらいのツリーが当たり前だったから結婚しても買っちゃった。ツリーと部屋の広さのバランスが悪いのだけど。
 でも当時もニュージャージーにいたから安いのだ。$20しなかったものだから。今でこそ日本でもニトリとか手に入りやすい値段だけど、そのころはまだ高くてきっと日本に住んでいたら購入できなかった。

 結婚してすぐに買ったオーナメント。

めっちゃ態度の悪い店員さんに名前など書いてもらう。
でも出来栄えに満足していた。店員が笑

 南部ナッシュビルに行った時のお土産。

カウボーイのグッズが多かった

 札幌で暮らし始め、サッポロファクトリーでクリスマスグッズを期間限定で扱うコーナーに行き物色する。

他にもあるけどこれが印象的

 息子が生まれると、夫も私も「1歳の記念に」とそれぞれに買った。

どちらにも「1」の数字が入っている

 夫は出張に出た時にも、お土産にオーナメントを買ってきてくれた。

セサミストリートのキャラクター
こちらは101匹わんちゃん

 幼いころの息子がサンタのようなナゾのオーナメントを作ってくれた物もいつまでも持っている。

どこも色あせてボロボロだけど捨てられないのよね

 何年か前、大きなツリーを一人で飾るのが負担になってきて、「めんどくさい!!!」の気持ちに勝てず、かなり傷んでもいたので手放すことに。私も20年以上ほぼ1人きりでがんばったからヨシとする。

 初めて自分より背の低いツリーにした。
 めっちゃ楽や~ん! と思い知るのだけど……。
 今年は壁部分が平たんなツリーが出ているとCMで見かけた。えええ……なんて合理的! と笑いつつ同時によからぬ考えが浮かんでしまう。

 窓側、そんなに丁寧に広げて美しく飾り付けなくても良いのでは。
 誰も見ないし。

 と思うと、窓側がどうしてもおざなりになってしまう。

 ともあれ今年も飾った。

 オーナメントを箱から出しては眺め、その向こう側にある風景を思う作業は楽しかった。
 そっか。ツリーを飾るのは私にとって、これまでの自分の歴史を思い返すことになるのか。
 だとすれば、10年近く買っていないオーナメントを今後足していくのも、アリだよな。
 そうしたら飾るのがまた楽しみになるかもしれない。



読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。