笑う門には健康来たる
はじめに
今回はこちらの論文をご紹介します。
Does laughter predict onset of functional disability and mortality among older Japanese adults? the JAGES prospective cohort study
Tamada, Yudai, et al. Journal of Epidemiology (2020): JE20200051.
日本人高齢者において笑うことは要介護状態の発生や死亡を予防するのか?
笑うことは身体にいいと直感的に思いますが、実際のところは果たしてどうなんでしょうか?
ということについて検証した世界で初めての論文だそうです。
結論
もう、結論からお伝えします。
本文中の結論はこうです。
Low frequency of laughter is associated with increased risks of functional
disability. Laughter may be an early predictor of functional disability later on in life.
笑いの頻度の低さは、要介護のリスクの増加と関連している。
笑いは、人生の後半の機能障害の早期予測因子かもしれない。
衝撃的~
笑うことで要介護状態を予防できる可能性があるということですよね。
笑わないことのリスク
笑わない、ほとんど笑わないことは要介護状態発生のリスクを50%近く増加させる可能性がある。
参加者(日本人高齢者)の5分の1は笑う回数が週に1回以下であった。
笑わないだけで健康に悪影響を及ぼし、尚且つ、笑わない高齢者は5人に1人もいるとのことでした。
なんとも身近に潜むリスクですね。
今すぐ、高齢者に笑ってもらいましょう!(笑)
笑いが健康にいい仕組み
ではなぜ笑うことで要介護状態が予防できるのでしょうか
論文中にはこうかかれています。
➀身体の変化(免疫機能の改善や循環の促進など)
➁心理状態(日常生活におけるポジティブな感情)
➂ストレスの影響を緩衝する
うまく訳せていないかもしれませんが、
笑うことによって心身ともに健康になるとご理解いただければと思います。
おわりに
要介護状態のリスクとなる要因はいろいろありますが、身近な高齢者が日頃笑えているのかという評価は専門職として行いたいと思います。
また、笑ってもらうのは看護やリハビリと違った専門性になりますが、相手のことを理解してこそ笑いのツボも解るかと思いますので、利用者様に寄り添うという基本姿勢は大切にしていきたいと思います。
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