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空虚な毎日

 現在僕は恋人の元を離れ、出張2ヶ月目が経とうとしている。  毎日の仕事は忙しく、充実しているが、寮に帰ってからの時間がとても退屈で、一人だとすぐ眠たくなる。  毎晩恋人とテレビ電話をして沢山お話をして、一緒にYouTubeを「せーの」と言ってタイミングを合わせ、同時視聴している。  満たされているようで満たされていない不思議な感覚。  やっぱり顔を合わせて話したいし、YouTubeも隣で一緒に観たい。そして周りには猫がウロチョロしている。その当たり前の毎日まで残り1ヶ月ち

    • タバコを吸う

       匂いも苦手だったタバコ。よく父が吸っていたタバコ。路上に落ちているタバコの吸い殻。  初めては恋人に教えてもらった。その日はお酒も飲んでいたこともあって、まん丸のゲロを吐いた。そこから数年、北海道のなんてことないブースで一緒に買ったアイコス。今でも同じ銘柄を吸っている。  最近職場でタバコを勧められることが多くなった。仕事中は吸わないのでと言っていたのに、一本また一本と吸う頻度が増えていった。借りて吸ってみたプルームというやつがそれがまた結構美味しい。アイコス以外は何故

      • 夜行バスで向かう恋人のもと

         関東での時間の流れは早いが、恋人と会う日まではやけに遅い。  関東での長期出張を命じられて、時が経った。休日が待ち遠しい毎日。休みがあれば毎週恋人のもとに帰ろうと考えている。  そんな中急遽、シフト変更で連休が生み出された。すぐさま夜行バスを取った。何度も何度も出発日と出発時刻を確認した。  そこからというもの仕事への活力が増大し、どんなに忙しくても頑張れた。目に見える力ではないが、途轍もなく絶大な力が働いた。  僕にとって家で待っている恋人と猫たちの存在は計り知れ

        • 恋人と離れた1日目

           今日から関東に3ヶ月間の出張を命じられた。  一緒に暮らす毎日、どこへ行くにもいつも一緒。大丈夫だろうか。  出発の数日前から恋人は毎晩泣いていた。胸が締め付けられた。離れ離れになって生活が変わるのが怖い恋人。泣いたら出張がより億劫になるから泣かないようにポジティブな事だけを考える僕の性格。結局出発数分前まで二人で泣いていた。  夜行バスの中でも涙が溢れ、パーキングエリアでビデオ通話した時も泣いた。吸ったタバコはやけに味がしなかった。  早朝に東京に着いた。出勤まで5時

        空虚な毎日

          2023/02/01

           恋人とお付き合いを始めた日。今日で丁度二年半が過ぎようとしている。今まで様々な事があったが、何よりも今一番に思う事は一緒に居てくれてありがとうだ。  今更全ての過去について、話すのは億劫なので良い部分だけを抽出させてもらおう。僕たちは当初三日に一回の頻度で会い、徐々に二日に一回、一日一回へと変化していった。gotoトラベルを駆使し二日に二回も増えていき、時には七日に七回を記録したりもした。  僕が家を出て一緒に暮らし始めてからも、休日はほぼほぼ二人で過ごした。出逢った時か

          手と手

           丁度、Spotifyでクリープハイプの手と手を聴いている時だった。二人で共有しているSpotifyアカウントの検索履歴に「元気の出る曲」、「落ち込んでいる時に聞く音楽」を見つけたのは。  先日、恋人から一緒にいても楽しくないと言われた。もっと楽しいことをしたいと。僕は恋人と一緒に居るだけで楽しいし、恋人も同じ気持ちだと勝手に思っていた。自分の事しか考えられていなかった。僕はいつも大切な物を無くした後に気づく馬鹿タイプ。それでも恋人は寛大な心で僕を許してくれている。今も尚き

          最高の記念日へ

           今日6月1日、恋人との1年10ヶ月の記念日を迎える。今恋人は隣ですやすやと眠っているが。  昨日5月31日の出来事だ。仕事の休憩中に恋人から電話がかかってきた。体調が悪く救急車で運ばれたとのことだった。僕は急いで病院に向かった。道中、恋人のことを考えれば考えるほど最悪の事態を想像してしまい、注意散漫で運転が荒れていたと思う。仕事の先輩の「雨だから気をつけて行けよ」の言葉が無かったら、どうなっていただろうか。結局、駐車場にバンパーを擦る程度で済んだ。  すぐ病院内に駆け込

          最高の記念日へ

          「新年を迎えて」改めて「もう三月か」

           昨年と同様に今年も、鶴岡八幡宮へ初詣に行った。恋人と一緒に引いたおみくじには吉と書かれていた。ピンとくる内容は書かれていなかった。  参拝後、「古神札納め所」を見つけ、ふと昨年買ったお守りがあるのを思い出した。昨年の僕は厄災の年であったため、厄除けのお守りを恋人に勧められて、買っていた。そのおかげもあってこの一年過ごせてこれたのかなと去年の出来事を振り返り、胸が熱くなった。  その約二週間後、恋人と一緒にピアスを開けた。僕は左耳に、恋人は右耳に。初めてピアスを開けた僕たち

          「新年を迎えて」改めて「もう三月か」

          恋人と猫

           いつからか当たり前にただ生きることが出来なくなっていた。僕の今までの人生は何も考えず、辛い事から逃げ、妥協して、ただのうのうと生きてきただけだ。そんな僕が出会った恋人はずっと考えてきた人だった。  そんな僕だったから、恋人を何度も何度も傷つけた。それでも恋人は僕の手を離さないでいてくれた。でも今は違う。恋人にも限界がきて、恋人の口から離れようと出てくる。関係を、恋人を散々壊してしまった僕のせいだ。  変わったのは恋人だけではなかった。僕も変わっていた。以前よりも考える事

          恋人と猫

          ワンルーム

           恋人と二人で暮らすワンルーム。もう半年以上が経つ。毎朝使う自転車。たまに使う洗濯機はガタガタ煩い。冷たい水が出るシャワー。フライパンが当たって溶けた炊飯器。棚に飾ってある写真立て。無造作に置かれた二人の服。ゴミ箱の上には恋人の化粧品。天井に消えていく煙草の煙。溜まっていく吸い殻と洗い物。  僕たちのワンルームにはかけがえのない物、時間、景色が流れている。ワンルームだからいいのかな。どこにいても恋人が目に映る。もはや眠っている間でさえ、瞼の裏にいてほしい。でも朝目覚めた時、横

          ワンルーム

          歳を取る

           隣に寝ている恋人が早起きするところから始まった僕の誕生日。いつも時間ギリギリまで寝ているのに一人で起きて、何処かへ向かった。自転車を漕ぐ恋人を上から眺め、行き先を想像したが、見当も付かなかった。一人家で待っていても、ワクワクが止まらず、眠れない。11時集合ねと言われた。同じ家に住み、毎日一緒に居るのに待ち合わせが発生した。新鮮で高揚感がすごい。待ち合わせ場所は高速バス乗り場だった。突然、恋人は東京に行くよと言った。それが僕の最高の誕生日の幕開けだった。  高速バスには僕へ

          歳を取る

          手料理と物語

           最近、恋人が手料理を作ってくれるようになった。今までに六つの料理をいただいた。どれもとてつもなく美味しかった。チキンラーメン。オムライス。カレー。納豆オムレツ。納豆炒飯。ドライカレー。一つ一つ今でも覚えている。あと何品作れるのだろうか。底が知れない。もはや胃袋が掴まれているのかも知れない。  一緒に料理も作った。僕は料理を全然したことがないが、恋人の指導の下、野菜を切ったり、フライパンを回したりした。恋人は凄い褒めてくれて、僕が作った料理を私のより美味しいと言って、食べて

          手料理と物語

          世の常

           恋人はよく言っていた。映画やドラマ、音楽などを何度も見ると、いつも感じ方が違うと。当時の僕はそうかもしれないなくらいにしか思っていなかった。でも恋人が言っていたことは僕が思う次元を疾うに越えていた。  僕は恋人のおかげで、今までの僕では考えられない貴重な体験をしてきた。そう感じたのは二人で沢山の作品を観ていく中で「これ僕と似てるな」とか「恋人はこういう考えを持っていたのか」とか「以前こんな事を恋人にしてしまったな」とか、自分に重なる部分が多くあったからだ。  さらに詳し

          愛するということ

           僕の悪いところは山ほどある。嘘をつくところ。嫌になったらすぐ逃げるところ。自分の辛さで自分を保てなくなるところ。自分の考えがぶれぶれなところ。常に考えることができていないところ。  言葉にするとより何で僕が恋人と付き合えているんだろうと思う。その答えは簡単だった。恋人が僕を救ってくれていたからなんだ。  今まで僕の悪いところで散々恋人を傷つけてしまった。恋人に「もう私が無理になっちゃった」「この関係はいつか終わるよ」とも言わせてしまっている。  あなたの事を散々苦しめて

          愛するということ

          予感

           恋人の旧友から着信があった。その旧友とは何年も連絡を取っていなかったらしい。恋人はすぐに折り返し電話をしたが、出ることはなかった。そんな事があり、恋人はずっと考え事をしている。僕も考えてしまう。一時期、その旧友がいれば何も要らないと言っていたな。そんな存在が突然現れたら、僕は要らなくなってしまうのか。そうは思わなかった。でも何かが変わると感じた。その時、地面が少しだけ揺れた気がした。

          2021/08/01

           恋人と一年記念日を迎えた。最高な時間だった。レンタカーを借りて、恋人の職場の近くまで迎えに行った。お待たせと言った。かっこいいと言われた(車)。遠くまで一緒にドライブをした。沿岸部で海鮮丼を食べ、サイクリングもした。ゲームセンターでぷっちょを3つ取った。行きたかったお寿司屋さんには行けなかったが、美味しい天ぷらを食べた。帰りもドライブをして帰路に着いた。その後、毛布に包まれている恋人を抱きしめて眠った。  振り返ると再確認するのだが、二人でとても幸せな時間を過ごしたと思う