最高の記念日へ

 今日6月1日、恋人との1年10ヶ月の記念日を迎える。今恋人は隣ですやすやと眠っているが。

 昨日5月31日の出来事だ。仕事の休憩中に恋人から電話がかかってきた。体調が悪く救急車で運ばれたとのことだった。僕は急いで病院に向かった。道中、恋人のことを考えれば考えるほど最悪の事態を想像してしまい、注意散漫で運転が荒れていたと思う。仕事の先輩の「雨だから気をつけて行けよ」の言葉が無かったら、どうなっていただろうか。結局、駐車場にバンパーを擦る程度で済んだ。

 すぐ病院内に駆け込み、少し待たされてから恋人に会うことができた。恋人はベッドに横たわったまま、こちらを見て、力無い声で「大丈夫だよ」と言った。事情も詳しく聞かされていなかったので僕はまず生きていることに安心した。それでも胸のどこかが痛かった。本当に大丈夫なのだろうか、何か病気になったのか、大丈夫なのは今だけではないのか。僕は「大丈夫か」以外の言葉が見当たらなかった。もっといい言葉があったかもしれないと今は思う。平然を装っていても、心の中はぐちゃぐちゃだった。

 検査の結果、特に問題はなかったが、点滴も受けていたのでぐったりしているようだった。すぐ帰宅することができ、荷物を持ったり、手を差し出したり、車を回してきたり、一挙手一投足にこれで大丈夫かの思考が付いて回った。帰宅後は二人でゆっくり眠ってしまっていた。我が家の猫たちも僕達の状況を察したのか、近くで寄り添って眠ってくれていた。


 今日、恋人へプレゼントする花が家に届く予定だ。その花言葉は「嬉しい便り・壮大な計画」、他にも「希望の光を導く」などがある。僕達の人生はまだまだこれからだ。これからも一緒に歩んでいく僕達の大きな一歩の餞にでもなってくれたら嬉しいな。1年と10ヶ月おめでとう。これからもよろしく。

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