こどもがサンタクロースを信じてたころ。そして今年。
(Dodoさんのイラストを見出し画像にお借りしました)
こどもがサンタクロースを信じていた期間は5年弱くらいしかなかった。
振り返ると意外と短い。
自分が子どもの頃、クリスマスには何か(“長靴のお菓子”とか)もらっていたから、
こどもが生まれると、赤ちゃんの頃からクリスマスにはプレゼントをしていた。
でも、入園前の、0、1、2、3歳のクリスマスは、わかってなかったと思う。
そのころ見ていたテレビの幼児番組にもサンタクロースは出てたはずだけど、
サンタクロースがクリスマスにプレゼントをくれる、ということに、
こどもはピンときてないように見えた。
おもちゃがもらえるのは喜んでいたし、
何かあげたくて仕方ないおばあちゃんたちも、それを写真で見て喜んでいた。
クリスマスがわかったな、と思えたのは幼稚園に入ってからだった。
園のクリスマス会もあるし、お部屋の飾り付けや絵本の読み聞かせ、
他の子どもたちの様子などから学んだのか、
クリスマスとサンタさんというのが何か、わかってきたらしかった。
そこで4歳のクリスマス前、
「うちは煙突もツリーもないけど、サンタさんどこから来るかな?」
とこどもに聞いてみると、
「そこの窓を通り抜けてきて、このカウンターの下に置くんじゃない?」
と言った。窓を通り抜ける、か。魔法使いみたいなイメージかな。
「それか、換気扇からでも入れるんじゃない?」
換気扇!それもおもしろい。
とにかく普段通りの家にどこからか入れると思っているようだった。
24日の夜こどもが寝た後、カウンターの下にプレゼントを置いておいた。
翌朝見つけると、全く疑うことなく、
「ぼく、いい子すぎたからプレゼントいっぱい来すぎた」
と言って喜んで見ていた。
幼稚園のクリスマス会には、サンタクロースが来る。
保護者の中から選ばれたお父さん数人が変身して登場する。
会は二、三のグループに分けて行うので、
見てる子のお父さんが出てこないように調整されてたんだと思う。
サンタさんに質問のコーナーがある。
先生「サンタさんに質問したい人〜」
園児「サンタさんは今日どうやって幼稚園まで来ましたか?」
サンタ「〇鉄電車(地元の私鉄)で来ました!」
一同「わあ〜」
保護者も参観に来ていて、気の利いた回答が出来ると盛り上がる。
誰かのお父さん扮するサンタさんが白い大きい袋からプレゼントを配って回る。
手作り巾着袋にカルタやトランプ等が入っていて、私が園児だった頃から同じ。
「幼稚園のサンタさん」と言ってこどもは楽しみにしていた。
夜、「幼稚園のサンタさん電車で来たんだって〜」と
会に来れなかったお父さんに教えていた。
毎年クリスマス前に幼稚園から配布されるお手紙には、
大きくなってサンタクロースを信じなくなっても、
小さいときに信じたサンタクロースはずっと心に生き続け、心の支えになる、
というようなことが書いてあった。
確か、何かの本からの引用だったのだけど、誰の言葉だったか思い出せない。
そしてなんでもいいから親も手作りのプレゼントを用意することになっていて、
子どもたちも何かしら親に渡す工作を作っていて、
クリスマス会の集会の後で、親子でプレゼント交換することになっていた。
かなりの完成度の手作りおもちゃを作ってくる保護者もいて、
ちらっと見てすごいなーと驚いたものだったけど、
そういうことは問題じゃなくて、
自分のために何かしてくれた、という事が子どもには大事なんです、
というのが園の考えだった。
だから隠れて作らなくてもいい、作る姿を見せていい、ということだった。
年中さんのクリスマスの時は、そのころこどもが恐竜にはまっていたので、
手芸店で恐竜柄のキルティング生地を買って来て、ネットで型紙を調べて、
リュックサックを作ることにした。
数日にわたりリビングのすみで裁断したりミシンで縫っていると、
「恐竜のリュックサックできた?」
とときどきこどもが見に来た。
そしてリュックのパーツよりも機械としてのミシンの動きに興味津々で、
しばらくミシンがチャカチャカ動くのを眺めていった。完成して、
「できたよ。クリスマス会であげるね」
と言うと満足して、そのリュックは翌年から遠足に背負っていった。
家では、幼稚園までは、こどもが欲しいものはトミカやプラレールで、
小学生になるとおもちゃは欲しがらなくなったので図鑑をプレゼントにした。
三年生の時だったか、毎月本を注文しているネット書店のホームページで、
注文履歴を見ると発注した本の出荷状況が見れるのを知ったこどもが、
スクロールしていって注文履歴に前年のクリスマスプレゼントの図鑑を発見。
「あ、これは」
と言って振り向いてニッと笑った。
サンタは親だったとばれた瞬間だった。意外とあっさりしていた。
それからどうなったか。
ばれた後の最初のクリスマス、欲しがるものは本くらいだから、
毎月の購入とは別に12月はもう一回買ってあげようとしたら、
「本を買うのは月に一回だもん」
という、こどものマイルールがいつの間にかできており、
絶対に月二回は買わない、と怒っていたので何もなくクリスマスが過ぎた。
その次の年だったかは、
こどもがマイクラをやるための自作パソコンを年末に組んだので、
それがクリスマス兼お年玉だったかもしれない。
今年はこどものマイルールが緩んだのか、なぜかわからないけど、
12月分とは別にもう一回本を買って良いことになり、
こどもが欲しい本、読みそうな本を注文した。