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わたしの網膜はツァイスに救われた(かも)

今日は、医療のデザイン。

つい先日、網膜剥離が発覚し、そこからわずか36時間で手術が完了した。その顛末をInstagramに書いたけれども、今日は少し違う話を忘れないうちに書いておきたい。

網膜剥離の手術を経て、数日。日帰り手術をしてくださったので、手術後すぐに自宅に戻り、ベッドで上を向き続けなければいけないのだが。まあ少々飽きてきた。

姿勢からしてパソコンはかなり使えないが、短時間ならスマホを使うことができる。ただし真上に上げて使う必要があり、さながら筋トレのようではあるが。

この入力も音声入力で行っている。ユニバーサルデザインと言うが、技術の進歩には非常に助けられるなと実感する。

でね、目ってレンズでしょ?で、その目を分析する医療機器たちも、レンズとかカメラの塊なのよ。

正直、手術直前までは、わたしの目を検査してくれる検査機器に萌え萌えでしたよ。

今回の検査から手術において、たくさんの光学機器にお世話になりましたが、まず1番印象に残っているのはやはり手術台で迎えてくれたとても大きくていかつい機械の事でしょう。

その機械は非常にハイテクな印象でそして天井からぶら下がっていました。天井の根元にまばゆく光ブルーのロゴ。それがカメラユーザーにはお馴染みのツァイス ZEISS のロゴでした。

これから私はこのツァイスの手術用顕微鏡と優秀な若き(同年代)の眼科外科医に全てを委ねるのだと感じました。そしてそれはツァイスと言う馴染みのあり高級高品質というイメージのあるブランドへの信頼感が、安心できる1つの材料でもありました。

その手術室にあった手術用顕微鏡はこの機種かどうかはわかりませんが、これに似たようなものだったと思う。

そしてこのツァイスのページを見て思ったこと。そうだ、網膜の英語はレッティーナ Retinaだった、ということ。iPhoneやMacBookプロなど普段使っている身からすると、Retinaと言う単語にはものすごくなじみと愛着がある。

普段カメラやレンズは私の仕事の範疇の中であり、かつ、とてもお世話になっているなと。

とってもとっても高性能な光学機器にお世話になり、今日は自らのRetinaを外科的手術で治すのだと、安心感とは言わないが、とても興味深かったし、少し面白さを感じた。

もちろんそれは実際に自分の目に先生の手が入ってくるまでのわずかの間ではあったが。

先生のことも機械のことも、検査から手術までの間がものすごく短かったが、論理的でかつ感情もあり、それぞれのプロフェッショナルな判断が、画像診断やその言葉からはっきりと感じられた。だから一刻も早く手術をと言う、複数の先生の言葉に、流されるわけではなく、すぐに納得した。

撮影画像はデジタルだ。例えば、最初に撮影した眼底の画像等は、眼底撮影機の上にその機械のセンサーを担う部分として、NIKON のD90というものすごく見慣れた一眼レフが直接マウントされてた。すげーな、という光景にもかなりなじみを感じたし。そして、レンズが眼底撮影用の専門のものなのであれば、確かにD90のAPS-Cでも受像するセンサーサイズとしては必要十分だしコストパフォーマンスにも優れているなと。賢いなと感じたのだった。

それはさておき、診断の際に先生と一緒に撮影したデジタル画像をしっかりと見ていく。明らかに網膜が剥がれている。平面的にも断面的にも撮影ができると言うことにも驚いた。網膜が思いのほか広範囲に剥がれていることと、剥がれている高さが思いのほか高いこと。また視力を司る黄斑部にもうほんの数ミリまで網膜剥離が進んでいることを目の当たりにした。

わたしは、い、ち、お、う、建築の設計ができるし、図面も書けるし、図面を読むこともできる。この平面図と断面図を見たときに、先生の説明を受けて、明らかにやばい事は自分でもわかった。

まぁ本当のところを言うと、眼底の撮影をした時点で、検査技師の方のリアクションが既に驚きに満ちていたし、こういう検査を最近したことがありますか?と聞かれた時点で、もう明らかに何かが写っているのだなと言う事は分かっていた。

ただ知人に緑内障患者がいることや、若年性白内障に患った者もいたので、そのどちらかではないかと言う覚悟そのタイミングでしたのだった。

だが結果はとても意外な網膜剥離だったが。

診察室で画像を見た瞬間に、先生が、網膜が剥がれてますね。。。という一言の後、、、

私への説明をする前に、看護師と医療事務の方々との、次の検査と手術の担当先生と場所などの段取りを始めようとしていたことが、この状況がのっぴきならないことになっていることを真っ先に伝えてくれたようなものであるが(笑)

いずれにせよ私も信頼できる機械に、撮影されているその画像が、さらに現在の症状をはっきりと描き出しているものを見て、一瞬でも早く手術をするべきなのだろうと。

手術だからそんな簡単なものでは無いだろうしもちろん怖さもあるし。それでも何もしなければほぼ失明が確実なように思えたから。先生たちの判断を支持し、私としても納得し、なるべく早い手術を切にお願いをした。

無事に手術は完了した。現在は安静にしつつ定期的に術後の経過を、また画像診断で、そして先生が直接特別な機械を使って、私の眼球を覗き込んでくれることで、手術の結果がどうなったかを慎重に見極めてくれている。

現時点でも、眼帯を外せば、手術以前と同じ視力は維持されている。これは治ったと言う意味ではない。手術でもともとの視力が悪化する事はなかったと言う意味で、まず成功ではある。

その上でまだ剥がれた網膜は張り付いていない。

ツァイスと(ニコンとまたそれ以外の光学機器と)、先生やみなさんに、まずは救ってもらった。でもまだ勝負はここからのようだ。

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