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ノートの役割

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

私は読書会用にノートを1冊まとめている。自分が主催している読書会はもちろん、人様の読書会に参加した時も持参している。

字を書いているとそちらにばかり気を取られてしまうことは多々あれど、学生時代の癖でついノートまとめをしてしまう。

書くことは紹介された本のタイトルと著者、あらすじ、そして紹介した人がその本を読んで抱いた感想を逐一まとめている。去年の4月から始めて、現在100頁分の分厚さがある。

書く理由は主に2つ、1つは備忘録として。もう1つは思考を深めるために書いている。

私自身あまり物覚えがいい方ではない。2回目以降来ていただいた方が一体どんな人であったか、顔と本をリンクさせて思い出している。「あーミステリー持ってきて頂いた方ね!」とまるで覚えていますよと言わんばかりに振る舞う。

書いておくと本屋さんでも思い出せる。ノートを読み返してそう言えばこの本気になっていたんだよなと手に取るきっかけとなる。

また読書会で同じ話題になった時、話題をより深めたり、より広げたりするために活用することもある。

それが備忘録としての役割であるが、もう一つの思考を深めるため、人様から聞いた話を自分なりに解釈して、腑に落とし込むために書いている。

読書会では今まで知らなかった世界や業界に加えて、その人のなりの捉え方や考えていることに触れることができる。同じ本を読んでいても捉え方は千差万別、正解がない故に読書に終わりはない。

ただ聞いた話をそのまま鵜呑みにするのはよくない。その話を聞いたり読んだりして、自分がどう解釈して、どう考えるようになったのかを自分の言葉で言えるようになることが大切だ。

大学時代 生協で買った外山滋比古さんの「思考の整理学」筑摩書房を改めて紐解く。同著204頁にて、我々には2つの相反する能力が備わっていると述べている。

拡散的作用
与えられた情報などを改変しよう、それから脱出しようという作用。

収斂的作用
バラバラになっているものを関連付け、まとまりに整理しようとする作用。

読書会で聞いた話をすべてノートにまとめるのは、いわば収斂的作用であろう。学校の板書を書き写すがごとく記憶して整理するための行動である。

受験の試験問題や、国語のテストの読解力のように正解を求める傾向にある。

ただ、学校の成績としては優等生でも、社会では学んだことを記憶するだけでは不十分だと外山さんも危惧している。

「思考の整理学」は論文を書くことを目的として、学んだことを論文にまとめるための思考方法が記されているが、この自分の頭で考えることは社会で生きる上で必須である。

自分の意見を言いたい、表現したいという作用は本来人間に備わっている。

だがそのためには、自分が何を考えているのか、内なる言葉の解像度を上げる必要がある。

私も読んだり聞いたことに対してすぐに感想を述べるのが得意ではない。自分の考えていることを言葉にできる人の話は、聞いていて楽しいし尊敬する。

沢山の知識や情報、捉え方や考え方が記されたこのノート、そこから自分はどう考え方をするか、言葉にできるようになるかが今の私の課題なり。それではまた次回!

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