見出し画像

読書記録「有名」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、牧野響介さんの「有名」アメージング出版 (2022)です!

牧野響介「有名」アメージング出版

・あらすじ
「人の粗を探すのが好きな人間に、粗探しの手間を請け負い、提供する」ことをコンセプトに、人様に迷惑をかけることで再生数を伸ばそうとする底辺Youtuberの祐一。彼は動画撮影(ほぼ盗撮)の時に出会ったスケとうい不思議な青年と出会い、共に有名になることを目指す。一方は金と自由を手に入れるため、もう一方は生まれたからには何かを残そうとするため…。

読書会で出会った方が、なんと著者本人。彼の100万部達成の夢を叶えるべく、その1冊を手に取った次第。書店に置いてもらうために日本中を駆け巡り、時には手売り販売もする姿に、協力したくなった。本の内容はほとんど聞かなかったけれども、著者の熱意は感じ取れた。

2人の青年は、全くもって正反対の性格といえよう。祐一は社会に対して酷く憤りを感じている故に、有名になろうとする。一方のスケは世間知らずだが、生まれたからには何かを必死に残そうともがいている。

勿論、人間というものは常にどちらかに偏っているわけではない。いくら社会に憤りを感じている人間だとしても、時には他人に感謝を覚えたり、他人のことに興味を持ったりするものである。それでもうまくいかないことが続くと、勝手に自己嫌悪に陥る。

有名になるのも楽ではない。残念ながら"バズる"ことに再現性はない。初心者が一度バズった動画を真似したところで、毎回数万回再生を叩き出す可能性は少ない。

一方で、この世に何かを残すにせよ、それを形に残すことも簡単ではない。最近はNoteやZINEで誰でも作品を創ることは可能だ。だがそれが果たして社会に、後世に何かを残したと言えるだろうか。

目指すところは違えど、この社会で生きることに必死にもがく2人の物語。著者の夢のためにも、是非手に取っては如何だろうか。それではまた次回!

この記事が参加している募集

読書感想文

今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。