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本に対して絶対的な信頼を置くべきか

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

またも違う読書会に参加した時のこと。営業マン向けの本を持ってきた人に対して、主催者が「その本よりも絶対にこっちのほうが役に立つよ!」と別の本の良さを主張する場面に出くわした。

個人的に引っかかったのは、その本の紹介を聞いただけなのに、なぜ「絶対にこっちのほうが良い」と言い切れるのだろうかって点。

実際にその本を読んだ上で、こっちの方が役に立ったよと言うならまだしも、読んでもいない本に対して絶対にこっちのほうが良いよというのは、見てもない深夜アニメにケチつけるようなものだ(この例え合ってる?)。

その主催者が、そこまで自分が推す本を信頼している(むしろ崇拝している)気持ちは分からなくはないが、何かそれに囚われている気がしてならないのは、私だけだろうか。

そもそも、本に対して絶対的な信頼を置くべきかと思う。

確かにこの本が人生を変えた本だとか、この本があったからこそ今の自分があるという気持ちは分からなくもないよ。

例えば、高校時代に読んだ千田琢哉さんの「人生で大切なことは、すべて『書店】本がで買える。」を読んで、そうか、人生は読んだ本のようになるのだなと思い、真面目に本を読むようになった。

その後、大学時代に巌谷大四さんの「本のひとこと」を読んでからは読書の捉え方が変わり、歳を取ったら孤独になるから、今のうちに読書習慣を身につけてておこうと思った。

そんな感じで、節目節目に影響を与えた本ってのは少なからずある。だから、この本が自分の価値観を変えたって気持ちも分からなくない。

また、この本は自分の人生の指針となる本だっていうのも、良いことだと思う。ゲームに勝つには攻略本があったほうが有利に進めるのは定石だ。

人間の思考や習慣と言うものは昔から変わらないから、こういう原理原則とか基礎基本に則った本が一番だという考え方も分かる。

(まぁだとしたら、昨今に出版された自己啓発本よりも、もっと昔に刊行された古典のほうが良いのでは?と思うけれども。無論、古典だけ読めばいいという思考は極端すぎるが)。

だけど、どんなゲームも常に変化する。戦局は常に変化するし、ましてや人生というゲームを勝つための攻略本なんてものは(おそらく)ない。

だとしたら、この本の通りにやれば絶対に上手くいくよという、1冊の本に対して絶対的な信頼を置くのはいかがなものかと思う。

まあね。そういう拠り所となるような本を持つってのは大事ことだよ。

むしろ私のように、何度も繰り返し読むような愛読書がないような人間は、色んな意味で一貫性がないのだろうな。

だから自分のことを、読書会の主催に向いていないタイプだと思っている。人から勧められた本は何でも読みたくなって、手当り次第紐解いているから、自分の読書に軸がない。

まぁ私の読書なんて、所詮余暇時間の使い方であって、何か競争に勝とうととか、成功しようとかいう野心があるわけではない。

だからこそ、一つの本に対して絶対的な信頼を置くことに、どこか違和を感じてしまうのよね。

だって1冊を読み返すよりも、沢山の本を読んだ方が面白いじゃん。

ともかく、一人の著者や1冊の本に対して絶対的に信頼せず、もっと他の本も読んでみたらと、自称読書家は考える。

まぁこういう意見も、たくさん読むべきだという考え方に囚われているだけだぜと言われそうだが。それではまた次回!

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