見出し画像

「みんな読んでいる」わけではない

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

新年度とあって、最近やたらと「新社会人必読のビジネス書3選」とか「新生活におすすめ書籍」系の記事をお見かけする。

ぶっちゃけ、万人にとっての必読書なんてものはない(自分で見つけなければならないから)と思うタイプだが、でも読んだ方が良いよな~とも思わなくもない。

一応、読書会の主催としても、色んな話題にはついて行きたいし、同じ作家さんの本には目を通しておきたい。

「みんな読んでいる本」は、早く読まねばと。

でも実際のところ、どんな話題作だとしても、案外みんな読んでいるわけではないことが多い。

実体験だと思うが(記憶が曖昧)、とある出版関係の講演会にて、登壇者が「又吉の『火花』を読んだ人はどれくらいいますか?」と聴衆に聞いたことがあった。

当時、芸人が芥川賞を受賞したとして話題になっていたし、何万部刊行されたとかあったから、ここにいる人たち「みんな読んでいる」と思われていた。

だけど、その時はまだ読んでいなかったし、「読みたいとは思っているんだよね」と辺りを見渡したら、実際に手を上げたのは、会場の1~2割程度しかいなかった。

登壇者も苦笑いで「まぁこんなものなのよ」的なことを話していた。

ちなみに、私も読書会で本を紹介する際に、前置きとして「この本読んだことあります?」と聞いてしまう。

大抵どんな本でも、1人くらいは読んだことがある人はいる。安心するような、でも、あらすじが間違ってないか気になるような。

だけど、以前モンゴメリの「赤毛のアン」シリーズを読書会に持参した際にも、同じ質問をしたら、そもそも「赤毛のアン」自体読んだことがない人の方が多かった。

調べたら、累計発行部数が世界5,000万部もある「赤毛のアン」がですよ。年代とかもあるし、今更読もうという人も少ないかもしれないが。

つまり何が言いたいかというと、話題作とか、何万部も売れているというと、まるで読書好きな人は、みんな読んでいるように思えるけれども、案外みんな「読みたくても読みきれない」状態かもしれない。

もちろん、中には1日とか2日ペースで小説を読み終える人もいるだろうけれども、大抵の人はもっとゆっくり読んでいる。

そもそも、月に10冊読むのでも結構ハードルが高い。ビジネス書や自己啓発とかならすぐ読み終えるけど、物語は時間を要する。

その一方で、新刊はどんどん発売されている。宮島未奈さんの「成瀬」シリーズも読みたいし、森見登美彦さんの新刊も読みたい。

いや、新刊だと思っていたら、もう準新作になっている。ようやく読もうと思う頃には、文庫版が出始めている。

別に早く読むことが正義という訳でもないし、自分のペースで読むのが大切。何より、今読みたい本を読むのが良い。

世間の「みんな読んでいる」であろう本も読みたいけれども、今はガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」をちびちび読んでいる。

今はそれが読みたいから。そういうマインドが大事かと。それではまた次回!

今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。