3月16日 読書会報告
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
2024年3月16日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!
この日はリピーター様が2名、ご新規様が4名の計7名で朝活×読書会。珈琲片手に好きな本や面白かった本について語り合う。
先週体調不良で読書会を中止にしたのもあって、何だかんだ久方ぶりの読書会。何度参加しても、読書会では新しい本や視点を得られる。
紹介して頂いた本
原田マハ「楽園のカンヴァス」新潮社
このアンリ・ルソーの絵画が、本物か贋作か見抜いてほしいと依頼された男女二人。だが依頼主からはとある本を渡され、それを読んだうえで本物か否か見抜いてくれと伺う。果たしてその目的とは?二人の関係性とは?
読んでいる内に当時のフランスの様子が思い起こされるような、どことなく司馬遼太郎の世界観を覚える。とは言え、美術ミステリーとしての物語の展開もまた一興なり。
宮部みゆき「長い長い殺人」光文社
一般的に、ミステリーといえば探偵や警察目線、あるいは犯人目線で進むことが多い。しかし、この物語の面白いところは、とある殺人事件の関係者(目撃者や探偵)の”財布”目線で描かれる。
ある財布は、今日の主人はやけに心拍数が高いなと胸ポケットから観察したり。またある財布は、私の持ち主がお金以外に入れているこれは何なのだろうか?と考えたり、とにかく目線が違うのが面白かった。
加藤シゲアキ「閃光スクランブル」KADOKAWA
世代交代に悩む女性アイドルと、妻を亡くしたゴシップカメラマン。秘密裏に旅行に行った傷心状態の2人は、徐々にお互いに心を埋めていく。
世間一般からすれば、芸能界でデビューできる事自体凄いことなのだが、業界の中でも上には上がいて、欲望は果てることがない。サイリウムの色を星に見立てて、もっと自分の星を見つけたいと……。
加藤シゲアキ自身がNEWSのメンバーとして、華々しくも生々しい芸能界を渡ったからこその作品なのではなかろうか。
クレア・キップス「ある小さなスズメの記録」文藝春秋
第二次世界大戦真っ只中のイギリスはロンドン。傷ついたスズメを拾った老婦人が、愛情を持って育てて、そのスズメの最期を看取るまでの観察記録。ユーモアと優しさに溢れた表現で、スズメの姿がありありと伝わる。
歴史的な資料としても、戦時下のロンドン市内の様子を描いているのもいいけれども、何と言っても老婦人とスズメ(名をクラレンス)との心温まるふれあいが良かった。
山田香(記録) 大友義博(監修)「人物画のヒント150」日貿出版社
水彩画家である大友義博氏の教室で学んだ、山田香氏のノートをまとめたもの。ノウハウや技法と言うよりは、「作家は明確な意思を持って描く必要性がある」など、描くためのマインドが重視されている。
最初はどうしても、目の前のモノや光景をそのまま模写しようとしがちだが、「いい作品というのは途中でも面白い」というように、どこか惹かれる視点や着眼点が存在するのだろう。
濱野ちひろ「聖なるズー」集英社
京都大学でセクシャルに関する学問を学んでいた著者。ドイツに”ズーフィリア”という動物性愛者の団体があることを知り、彼・彼女らにインタビューしたものをまとめた作品。
LGBTとかを踏まえると、人間以外の動物しか好きになれない人を指すのかと思いきや、中にはそういう人もいるけれども、あくまでも家族として動物を受け入れいてる人や、夫婦でズーフィリアということも。
ただでさえそういう”枠組み”が難しいのに(そもそも枠なんてないとも言えるけれども)、流石に少数派過ぎて理解が難しい。でも、そういう人もいるって知れたのはまた面白かったし、すぐ読み終えてしまったという。
2024年3月の読書会スケジュール
3月20日(祝) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
3月23日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!
3月30日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
また、20日(水)~24日(日)にかけて、神保町は「春の古本まつり」が開催されます!
是非この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
ご興味ありましたら、コメントや各告知ページにて是非お待ちしております。皆沢に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)
・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催しておりますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。
お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。