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2月23日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年2月23日の夜に開催した、東京読書倶楽部の読書会の報告です!

この日は新規の方が8名、リピーターが3名の合計12名でお酒を飲みながら読書会、その名もBOOK & BOOZE!

いつにも増してご新規様が多い中、お酒を飲みながら好きな本について語り合う。本好きが集まるからこそ、作品とは直接関係のない、読書にまつわる話題で盛り上がれるのですよ。そういうのも一興なり。

そう言えば、今回で東京読書倶楽部の読書会は2周年だったと気づく。一人でこじんまりやっている読書会だから、特筆することもないけれども。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

有川浩「シアター」アスキー・メディアワークス

兄は弟が夢を追うことを「諦めさせる」ために、弟が座長である、とある劇団の借金300万円を肩代わりする。ただし、その条件として、劇団で稼いだ金だけで借金を返済することを約束させる。

人の夢はいつ終わるのか。夢というものは、いつまでも追い続けることができるからこそ、時には厄介なものになる。むしろ限界を知るなり、世界の違いを知って折れた時こそ、自分で諦められるのではなかろうか。

なお、実際にモデルとなった団長さんは存在するらしい。

朝井リョウ「スター」朝日新聞出版

大学時代に映画サークルで賞を受賞した二人は、別々の道で夢を追い求める。一人は大手の映像会社に、もう一人は動画サイトの配信者として。土俵は全く異なるけれども、大衆に受け入れられるものを作るために奔走する。

お笑い芸人の永野を引き合いに、俺のことを笑えるのは、それなりにエンタメについて分かっている奴だということに、視聴者自身も気づいていることを、見透かされた気がしてちょっと震えた。

紹介者曰く、朝井リョウさんの作品って、問題提起はするけれども後は自分たちで考えろって、爆弾だけ投げ込む感じが好き。答えのないことを考えるって、ある意味幸せよね。

高瀬隼子「水たまりで息をする」集英社

水がカルキ臭くてお風呂に入らなくなった夫と、それを支える妻の物語。不衛生になって仕事に支障をきたした夫に対して、大丈夫なのかと母から文句を言われるのは、息子ではなく妻の私なのが気に入らない。

お風呂の水をミネラルウォーターや雨水にするなど四苦八苦するが、最終的には実家近くの川に落ち着く。そして台風の日にも夫は川に行き、行方不明になったという。

ママゴトのような結婚生活が崩れていき、土壇場で真剣になったらなったで義母から文句を言われ。じゃあ一体私たち夫婦って何なのと。そんな高瀬隼子さんの辛辣さが好きだそうで。

三秋縋「恋する寄生虫」アスキー・メディアワークス

強迫性障害を抱える2人の男女は、ある日「フタゴムシ」という寄生虫に寄生される。フタゴムシには特定の雄と雌が出会うと、この個体しか結びつかないという習性がある。

他の人と接するのは苦手だけれども、この2人だけは惹かれ合う。映画もやっていたらしいけれども、こういうロマンチックって良いよね。

佐久間薫「お家、見せてもらっていいですか?」KADOKAWA

主人公の男の子は、建築物の建具や構造が大々大好きな小学生で、それ故に友達から浮いている。夏休みの自由研究で、近所の気になるお家を見せていただく。

もちろん、居住者の許可は取るのだが、そこでの会話を通じて、少年は徐々に自分の居場所を見つけていく。

森見登美彦「シャーロック・ホームズの凱旋」中央公論新社

ヴィクトリア朝京都は、寺町通り221番地Bに住むシャーロック・ホームズはスランプだった。だけど、ライバル関係のモリアーティ教授っもスランプで、二人が意気投合してしまって、どうしましょうって感じの話。

ニュアンスとしては「熱帯」のようなファンタジーの印象。あの森見登美彦さん独特の文体が好きなのよね…(わかる)。

米澤穂信「栞と嘘の季節」集英社

「本と鍵の季節」の後編に当たる作品だが、あの”終わり方”で続編作るの?っとやや半信半疑。こういう、見事に完結した作品が(何らかの陰謀によって)続くのってどう思う?まぁこの本は読むけれども。

村上龍「限りなく透明に近いブルー」講談社

主人公リュウ目線で、1971年のヒッピー文化(性やドラックが入り乱れている感じ)が蔓延していた時代を生きる若者たちを描く、村上龍の自伝的小説と思われる。

当時を生きた19〜20歳の、何者でもない若者たちが、何かになろうと見続けているけれども、結局何かで満たそうとするしかない日々に、どこか心が揺さぶられてしまう。

ちなみに、ハードカバーだと、著者の希望で表紙がリリーの横顔になっているが、文庫版だと青色の表紙になっている。これは出版社の功罪だと(紹介者は)思っている。

黒柳徹子「続・窓ぎわのトットちゃん」講談社

幼少時代、地元の小学校に馴染めなかった黒柳徹子さんが、トモエ学園に編入して居場所を見つける。続編では、学園を卒業後、かの戦争を経て、女優になるまでの半生を描く。

軍人さんから頂いた配給切符、ペニシリンがないがためになくなった弟、疎開先で出会ったリンゴ農家など、いろんな巡り合わせによって、ある意味ここまでたどり着いたのだなって思う。

2024年3月の読書会スケジュール

3月9日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
3月16日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会
3月20日(春分の日) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
3月23日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!
3月30日(土) 14:00~17:00
散策×読書会

ご興味ありましたら、コメントやPeatixにて是非お待ちしております。

皆様とお話しできるのを、心よりお待ちしております。

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