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8月24日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年8月24日(土)の夜に開催した、東京読書倶楽部の読書会の報告です!

この日はリピーターが10名の合計11名でお酒を飲みながら読書会、その名もBOOK & BOOZE! 常連さんであっという間に席が埋まるため、嬉しい限りである。

好きな本や読書の話題ばかりの飲み会だからか、そりゃお酒も進みますわな。

(開始1時間でほぼお酒がなくなり、途中に買いに行ったのは私主催者の失態である)。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」KADOKAWA

10月某日の早朝 中学生「海野藻屑」さんのバラバラ遺体が発見される。彼女の父は有名なミュージシャンであり、警察は事件の原因を追っている。

私が海野さんに出会ったのは1ヶ月前である。転校生としてやってきた彼女は、名前もさながら「自分は人魚だ」と言う厨二病。境遇こそ違えど、妙に惹かれ合う2人。

果たして「砂糖菓子の弾丸とは?」。そもそも「何を撃ち抜けなかったのか?」、そして「誰が撃ち抜けなかったのか?」。謎が謎を呼ぶ少女たちの物語。

辻堂ゆめ「あの日の交換日記」中央公論新社

姉妹やサラリーマン同士で書き合う7つの交換日記を描いた物語集。

中でも先生同士の交換日記の中で「生徒の〇〇を殺す」と書く教師の話が印象的。なぜそんなことを交換日記に書くのか、一体どういった意味で書いているのか。

ミステリー系ばかり読んでいるから言うけれども、4話目以降は時間がある時に。一気に読み終えてしまいたくなっちゃうから。

森田めぐみ「書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ」大和書房

実際に著者が書店員で働いていた頃に起こった奮闘記。本屋で働いていたからこそ分かるあるあるが面白い。

例えば第1話が「タイトルの謎を解き明かすのだ」では、初老のおじさまから、最近話題の「名を名乗れ」を探してくれと言われる(A.新海誠の「君の名は」のことね!)。

その他、出版社の人とのやり取りでも面白おかしい話など50篇を踏まえて、テーマになった本を2冊、計100冊の作品が紹介される。

誉田哲也「武士道シックスティーン」文藝春秋

負けることが大嫌い、人を切ることに命を掛ける香織は、中学最後の剣道の大会でメンを決められ負けてしまう。

彼女に深い傷を追わせた対戦相手である早苗とは、高校の剣道部で再会する。中学時代なぜ香織に勝てたのか自分でもよくわかってない早苗と、明らかに敵意むき出しの香織。

自分たちの武士道を信じて、お互いを高め合う青春群像劇。3年最後の試合は手に汗握るし、4作目の「ジェネレーション」では2人の卒業後を描く。

最近「成瀬は天下を取りにいく」の表紙を書いた、ざしきわらしさんが全帯イラストを描いたそうで。なんというか、一生懸命の女性を見ていると、、、惚れちゃうのよね。

成実弘至「20世紀ファッションの文化史」河出書房新社

「洋服」とは、文字通りヨーロッパから派生した服装である。そんなファッションウィークに大きな影響を与えた日本人がいる。「コム・デ・ギャルソン」の創業者 川久保玲。

川久保玲がデザインしたのは、全身真っ黒の服や、地肌が見えるほど穴が空いた服。当時ではありえない考え方は、最初こそ受け入れられなかったけれども、今ではどちらも当たり前のデザインである。

川久保玲の考え方は「脱構築」。型無しではなく型破りである。日本の技術はオワコンと言われる現代で、まだまだ日本の底力を見せられるのではあるまいか。

なお、(トレンドとか関係なく)ファッション初心者の方はカテリーヌ・ミリネアの「チープ・シック」もおすすめです。

美味しい料理と共に

麒麟・田村裕「ホームレス中学生」ワニブックス

「幸せ」とは身近にあるものである。「幸せの青い鳥」のように、追い求めるのではなく、気付くものである。

その点、犬はとても賢いのである。田舎にいる犬は、私が帽子を被ると「散歩の時間だ」と分かるし、家から半径1km程度の範囲を、まるで初めて来た場所であるかのように楽しんでいる。

なのに我々人間は、新しいものに目を向けがちである。ハレ・ケではないが、日常と非日常を分けて考えすぎではあるまいか。

中学時代に極貧生活を送った麒麟・田村裕さんは、僅かなお米を噛み続けて、「味の向こう側」に到達したのだ。

果たして我々は、それだけ物事を、食事という日常を噛み締めて生きているだろうか。

サン=テグジュペリ「夜間飛行」新潮社

まだ飛行機の安全性が確立されてない時代。郵便飛行業として、夜間飛行を行う人々の生き様を描く物語。

サン=テグジュペリと言えば「星の王子さま」が有名だが、こちらは飛行士としての著者のリアリティさ(おそらく経験談)があるため、また惹かれる。

最近、紹介者のなかで洋書ブームが来ているため紐解いたのだが、新潮社版は正直翻訳が難しいかも…。

原田マハ「たゆたえども沈まず」幻冬舎

パリの画家 フィンセント・ファン・ゴッホと、日本の画商 林忠正の出会いと運命を描く物語。

どこまでが史実でどこまでが創作であるのか分からない、原田マハさんは空白を埋めるのが卓越していて、だからこそ面白いのです。

紹介者曰く、美術が好きな方は、本好きな方が多いと思います。2026年に上野の森美術館にて「大ゴッホ展」が行われるので、この機会にぜひ。

伊藤亜衣・武田惇志「ある行旅死亡人の物語」毎日新聞出版

2020年4月 尼崎市のアパートにて3,400万円の現金を遺したまま孤独死した女性。星型のペンダントや珍しい姓の印鑑。彼女の正体を共同通信社の記者が追うノンフィクション。

名前は偽名を使い、身元がバレないよう保険のきかない闇医者で治療を受ける。近所のアパートに住む人も「この人がどんな人であるか」分からず、この時代にここまで匿名で生きれるのかと。

そんな一生を送った彼女の人生は、果たして幸せだったのだろうか。

マイケル パタニティ「アインシュタインをトランクに乗せて」ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ

1955年 アインシュタインは死後、身体を解剖されるのだが、解剖医の手により脳みそが盗まれる事件が起こる。

事件から45年後、姿を眩ませていた医者(ハーヴェイ博士)に直撃したマイケル。アインシュタインの孫に脳みそを返還すべく、アメリカを横断するロードムービーのような実話。

ハーヴェイとアインシュタインはどんな関係性だったのか。そもそもなぜ脳みそを盗んだのか、果たして旅の終わりでどうなるのか?気になってばかりの物語。

2024年8・9月の読書会スケジュール

8月31日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!

9月14日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
9月14日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
9月21日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
9月28日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!

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