見出し画像

北極圏・ラップランドひとり旅 4日目

September 16, 2019
Ranua Zoo

ロヴァニエミには世界最北の「ラヌア動物園」がある。日本ではあまり動物園に行かないけど、海外に来た時はよく行く。2017年にはノルウェーにある世界最北の水族館にも行ったし、どうやら「最北」という言葉に惹かれるらしい。

ラヌア動物園はこの旅でロヴァニエミを経由地にした理由の一つだった。北極圏の動物に出会える場所で、展示の方法が面白いと友人から勧められていた。動物園へはロヴァニエミの市内からバスで1時間15分ほどで着く。

車内で朝ごはんのサンドイッチを食べる
バスが減速したと思ったらトナカイが道路を横切っていた

動物園は森の中にあった。森を切り開いて動物園を作ったのではなく、元々あった森を大きな柵で囲ったような感じだった。人間は森の中に敷かれた木道を歩き、左右の動物たちを眺める。

動物園はこのような木道を進む

動物たちはコンクリートの地面ではなく、土の上を歩いている。動物たちがよく通る場所には獣道ができているし、茂みの影からこちらの様子を伺っていたりする。行動展示は日本でも流行っているけど、ここは動物たちの姿を本来の環境の中で観察することができる。

オオカミと獣道

観光のシーズンじゃないからか、動物園にはほとんど人がいなかった。見たい動物の前で立ち止まり、ゆっくり眺める。人は木道を歩くだけで広い園内を自由に散策することができない。僕が動物を見ているんじゃなくて、動物たちが木道を歩く僕を観察しているような感覚だった。

動物園を一周すると食堂があり、お腹が空いた僕はお昼ご飯を食べることにした。少し高かったけどランチビュッフェには動物園の食堂とは思えないほどしっかりした料理が並んでいた。トナカイの肉を煮込んだソースとミートボール、サーモンとじゃがいものオーブン料理、牛乳とバターのコクが美味しい伝統的なサーモンスープ。旅ではなかなか食べられない生野菜も嬉しい。フィンランドに来て初めての伝統的な料理だ。お昼ご飯を食べた後、帰りのバスまで少し時間があったので動物園をもう一周した。

街に戻り、宿に帰ると陽気なスタッフが話しかけてきた。僕が重そうなカメラを持っていることに興味を持ったらしい。「カメラマンか?俺のプロフィール写真を撮ってくれ」と頼まれ、ちょっと面白そうだったので撮ることにした。宿を出て彼の後ろを着いていくと川沿いの公園に出た。彼は背負っていたリュックの中からジャケットを取り出し着替え始める。こんな寒いのに一瞬裸になって着替えるのが面白くて、ずっと笑いながら写真を撮っていた。

何枚も着替えた彼の写真を撮った
宿に戻ってギターを弾く彼。
移民らしいがフィンランド語が堪能だった。
楽しい時間で夜が更けてゆく。

明日からはこの旅のメイン、北極圏トレッキングがスタートする。
暖かいベッドとコンセント、文化的な生活とはしばらくさようならだ。

夜ご飯はキノコ味のポテチとクランベリーのお酒

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?