Taro Suzuki

森と湖とノルウェーと北海道が好き。2021から北海道に住み始めました。星の写真撮ったり…

Taro Suzuki

森と湖とノルウェーと北海道が好き。2021から北海道に住み始めました。星の写真撮ったりパンを焼いたりしています。2019年の北極圏トレッキングを執筆中。

最近の記事

北極圏・ラップランドひとり旅 8日目

September 20, 2019 Urho Kekkonen National Park ラップランドの夜は長い。 それは極夜のように太陽の沈んでいる時間が長いという意味ではなく、電気も電波もない場所では暗闇の時間が長い、という意味だ。 都会には暗闇というものが存在しない。お店の看板や信号、巨大な街頭モニターや車のヘッドライトなど、常に何かの明かりが僕たちを照らし、昼と同じように活動できる。テレビは24時間流れているし、スマホをひらけばすぐに誰かと繋がることもできる。

    • 北極圏・ラップランドひとり旅 7日目

      September 19, 2019 Urho Kekkonen National Park 朝、目を覚まして窓の外を見ると、雪景色が広がっていた。夜中のうちに雪が降ったらしい。 ハットの中は暖かい。薪ストーブがまだほんのり熱を保っている。乾燥しないようにと、ストーブの上に置いた鍋を覗くと、ずいぶん水が減っていた。 昨夜は木製のベンチにマットを敷き、身体の半分だけ寝袋をかけて寝た。室内は少し暑いぐらいで、半袖で寝ることができた。とても快適で、すぐに熟睡したと思う。 セー

      • 北極圏・ラップランドひとり旅 6日目

        September 18, 2019 Urho Kekkonen National Park 北極圏トレッキングの2日目は寒さで目が覚めた。 近くに張ったサトルのテントから音はしない。どうやらまだ寝ているらしい。 ゴソゴソと寝袋から這い出し、テントの入り口から顔を出すとキリリと冷たい空気が流れ込んできた。朝露に地面の落ち葉が濡れている。とても静かな朝だ。 僕の動く音で目が覚めたのか、サトルもテントから這い出してきた。彼も寒さでよく眠れなかったらしく、とても眠そうな顔をし

        • 北極圏・ラップランドひとり旅 5日目

          September 17, 2019 Rovaniemi - Saariselkä - Urho Kekkonen National Park 昨夜はあまりよく眠れなかった。いよいよ始まる北極圏トレッキングにワクワクしていたからか、夜に食べたポテトチップスで胃もたれを起こしたからか、同室の大男のイビキがうるさかったからか、なかなか熟睡できなかった。 宿をチェックアウトしてバス停へ向かう。目的地は北極圏トレッキングの入り口の街、サーリセルカ。ロヴァニエミからは4時間半かかる。

        北極圏・ラップランドひとり旅 8日目

          北極圏・ラップランドひとり旅 4日目

          September 16, 2019 Ranua Zoo ロヴァニエミには世界最北の「ラヌア動物園」がある。日本ではあまり動物園に行かないけど、海外に来た時はよく行く。2017年にはノルウェーにある世界最北の水族館にも行ったし、どうやら「最北」という言葉に惹かれるらしい。 ラヌア動物園はこの旅でロヴァニエミを経由地にした理由の一つだった。北極圏の動物に出会える場所で、展示の方法が面白いと友人から勧められていた。動物園へはロヴァニエミの市内からバスで1時間15分ほどで着く。

          北極圏・ラップランドひとり旅 4日目

          北極圏・ラップランドひとり旅 3日目

          September 15, 2019 Helsinki - Rovaniemi まだ暗いヘルシンキの街を静かにトラムが走ってゆく。 14kgのバックパックと5kgのデイパックを抱え、雨の中を1km歩いてトラムに乗った。まだ朝の6時前だから乗客はほとんどいない。次の駅を知らせる自動音声も空の車内に響いてなんだか少し寂しそうだ。 中央駅で空港行きの列車に乗り換え、昨日買っておいたバケットサンドを食べる。リュックの中で少し潰れてしまったけど美味しい。空港で荷物を預け、7:50発

          北極圏・ラップランドひとり旅 3日目

          北極圏・ラップランドひとり旅 2日目

          September 14, 2019 Helsinki 「サウナは初めて?フィンランドのサウナはもっと湿度を上げるんだよ」 早朝、ゲストハウスの最上階にあるサウナにひとりで入っていると、後から来たフィンランド人が水の入ったバケツを持って来てそう言った。 ヘルシンキの街外れ、トラムの終点にあるこのゲストハウスをわざわざ選んだ理由は、無料のサウナがついているからだった。フィンランドといえばサウナのイメージだけど、まさか1泊1,300円のゲストハウスにまでサウナがあるなんて。

          北極圏・ラップランドひとり旅 2日目

          北極圏・ラップランドひとり旅 1日目

          September 13, 2019 Narita - Helsinki 2019年9月13日。 成田発、フィンランド ヘルシンキ行きの飛行機はあっけなく飛び立った。 身体に重力を感じながら、飛行機の車輪が滑走路を離れ、空へと上ってゆく。子どもの頃から飛行機にはよく乗っていたので、この感覚は好きだった。 大学生になってアルバイトを始めると日本各地を旅して回った。卒業して入った会社も出張が多く、2週間に1回は飛行機の窓から東京の空を眺めていた。 それでも。海外行きの飛行機に乗

          北極圏・ラップランドひとり旅 1日目