ミニマリストとコンプリート欲
私は、10年くらい前に、ミニマリスト(必要最小限の物で生活をするライフスタイル)という言葉を知って以来、断捨離を生活に取り入れています。
去年まで住んでいた東京のマンションは、ものが極端に少なく、来訪者には「禅寺」「もぬけの殻」「内覧用の部屋」と、揶揄されていました。それが私にとっては誉め言葉。煩雑さを一切感じないがらんとした空間が、日々仕事で忙殺された私の心を癒してくれました。
でも、ミニマリストとはあくまでも手段であって、本質は「不要なものを捨て、自分にとって大切なものを見失わず、大切なものを大切にして生きること」。この生き方がとっても気に入っています。
今でも、なるべくものを増やさず、少数精鋭のスタメンのもので暮らす心地よさにはまっていて、趣味が「ものを使い倒す」「不要なものを捨てること」となっています。
また、毎週2回の燃えないゴミの日が好き。私はゴミの日を禊(みそぎ)の日としてるので、日ごろの煩悩を家庭ゴミと一緒に ”ポイッ!” と捨て去るイメージでゴミ捨して楽しんでいる変な人です(笑)。
※ ※ ※
こんなミニマリストの端くれの私は、
二律背反しますがコンプリート欲があります。
コンプリートとは、「全て揃える/完全制覇する」や「物事を完了・完遂させる」ことをいいます。
例えば、ゲーム、映像、音楽、書籍、マンガ、食器、推しグッズ、フィギュア、プラモデル、ガチャガチャなどの収集が思い浮かぶと思います。
私が昔、コンプリートした経験があるのは、
「ぐでたま」の マスコット集め
結構いい年の大人が気恥ずかしいのですが、この、ヤル気ないだらっとした感じに、すっかり心奪われました。当時の私にとっては、「ぐでたま」は愛おしい癒しの存在。今思えば、私はそうとう心身が疲れ切っていたんだと思います。
※ ※ ※
その頃の私のコンプリートをしなければ気が済まない心理状態は、完璧主義と欠乏感から来るものでした。
というのも、「ぐでたま」を集めていた時、全種類のマスコットが揃った達成感に満足して終わってしまい、「ぐでたま」自体をちゃんと愛でることができなかったのです。
自分の管理能力と愛でる力以上に「ぐでたま」の数が多くなり、パッケージ箱に入ったまま外界に出してあげることもなく「ぐでたま」のほとんどは、会社の若い後輩たちに譲ってしまいました。
※ ※ ※
この「ぐでたま」コンプリートの失敗経験を活かし、これから新たにコンプリートしたいことがあります。
それは物質のコンプリートではなく、
「日本全国47都道府県」制覇の旅!
ミニマリストのコンプリート対象は、やっぱりものではなく無形がいい。
あと5県でコンプリートします。
経県値の都道府県は42、①旅行 ②出張 ③居住 でカウントしています。
現在コロナのため、2020年2月の那須塩原の旅を最後に、日本全国・47都道府県制覇の旅は中断しています。今日までの2年6ヶ月間、日本地図を眺めながら、旅の再開を夢見ています。いろいろと旅の想像をしているだけでも楽しいです。
旅再開の際は、「ぐでたま」をひたすら集めていた時のように、ただコンプリート(制覇)を目的とするのではなく、旅先地域ならではの気候、風土、自然、文化、歴史、食をしっかり体感していきたいと思っています。
目的を生きるのではなく、過程を生きる
「ぐでたま」が、コンプリートの醍醐味を改めて教えてくれました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?