見出し画像

海外に出る前にやっておくべきこと~日本食の練習~

アメリカのど田舎で出会う日本食ワード

 誰しも長期間にわたって海外にいれば、日本食が恋しくなるものであるが、日本食の中でも特に有名なものは、割と田舎の方に行っても手に入ったりする。

 私が留学したケンタッキー州の町・ダンビルは、北海道の十勝平野並みに田舎なのだが、「スシ」「トーフ」「ソヤ(醤油のこと)」などは、既に市民権を獲得している言葉である。

 もっとも、「スシ」に関して言えば、アメリカ人の多くが「スシ」=「巻き寿司」のことと思っているらしく、田舎のジャパニーズレストランでは本格的な生魚の握りずしやチラシずしにお目にかかれることはほとんどなく、少し大きい街に行かないといけない。

 内陸のケンタッキー州では、フライを巻いた天むすのような巻きずしや、アボカドを巻いた「カリフォルニア・ロール」などが定番。新鮮な魚介類を使った江戸前寿司には、留学期間中、出会うことはなかった。もっとも、食べに行く金も暇も交通手段もなかったのだが、、、。

 「味噌」とは何かを英語で説明するときに、「発酵させた大豆のペースト」などと言わなくても、「ミソ・ペースト」と言えば理解してくれるアメリカ人も多い。

 ある時、みそ汁を作ってふるまった時に、あるアメリカ人学生が「私のお母さんもお家でよく味噌使っているよ!」と言っていたのでびっくりした。彼女のお母さんは日本人でも日系ハーフでもないと言うが、そんな家庭でも料理に味噌が使われることだってあるということだ。

明太子は英語でMentaiko?

 有名な日本食だけでなく、かなりマイナーな食品を知っている人もいる。  

 日本でフィールドトリップを行い、日本食の伝統を勉強するというユニークな授業があったらしいのだが、参加した学生の多くが、「『トンカツ』が一番おいしかった」と僕に語って来た。わざわざ「フライド・ポーク(?)」などと言い換えたりしないのである。

 ある時は、「好きな日本食は何?」という話題になって、「明太子」を英語で何とか説明しようと考えていたが、その場に居合わせたベトナム人学生が、「メンタイコ、知ってるよ!」と言ったのにはこれまたビックリした。あとで調べてみると、2019年に九州朝日放送で「博多明太!ぴりからこちゃん」というアニメが放送されていたらしく、ひょっとしてネットでそれを見たのかもしれない。

 「おにぎり」という言葉も、わざわざ「ライス・ボール」と訳せずとも「オニギリ」で通じることがある。どうやら、彼らは日本のアニメ、例えば登場人物がおにぎりを食べているシーンなどを通じてそれらの単語を覚えるようだ。

出汁を取って友を得る!?

 要するに何が言いたいかというと、海外では、日本食に関心のある人が、田舎の方でも割とたくさんいるということである。そんな時に、日本人として和食を一品作れたりすると社交上とても役に立つ。料理大好きなベトナム人学生に鰹出汁の取り方を教えたり、ジャパニーズ・カレーが大好きな中国人に、さまざまな出汁と隠し味を使ったカレーを作ってあげたりしたものだ。

 アメリカ留学中は、英語力よりも料理力の方が伸びてしまったかもしれない(笑)。

 「良い出汁を取れば良い友を得られる」と言っても過言では無かろう。

画像1

(写真:学生寮のキッチンで、巻きずしを作っている筆者)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?