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30歳で自立したくなった話③/猫脚バスタブの部屋に住みたい

妥協せずに、自分の大好きが詰まった私だけの私のためのわたしのおうちを創る。
居心地の良い、だけど飼いならされてるようなあの生活に戻りたいと思わないくらいの。

そう思って始めた部屋探しは、初めから難航を極めた。

部屋探しは仲介業者をしている仲の良い後輩にお願いした。
私はこの後輩のセンスが大好きで、ファッションもメイクも言葉のチョイスも会う度に感心している。そして仕事においてもそのセンスとこだわりを発揮して大活躍中だ。が、人より少し不動産の知識がある私も相当のこだわりを持っている。

「第一条件は猫脚バスタブで。」

そう言ったときの、彼女の「はぁ?」は、EDMにしてダンスフロアで流したいくらい良かった。はぁ?は、は、は、は、は、はぁ?はぁ?ははははぁ????

何を隠そう私は猫脚バスタブに小学生の頃から憧れていた。
小学生の私ときたらあの若大将こと加山の雄三ばりの貫禄のある恰幅の良いメガネっ娘だったのだが、そんな風貌でもレトロアメリカンなイラストの美女たちが入っているあの謎に脚がくるんとした曲線が美しい器にいつか入りたい、頭にターバンを巻いて。と思っていた。

その他、私の出した条件はこちら。

・築30年以上のレトロなマンション(ヴィンテージマンションだと尚良し)のリノベ部屋
・ドアは昔ながらのカンカンてやつがいい
・昔押入れだった収納をリノベしたから収納いっぱいあるよ的な
・水回りに可愛いタイル
・へんな間取りが良い
・デザイナーズでも最近のアクセントクロスちょい貼りました的分譲デザイナーズじゃなくてさ〜〜〜
・お風呂トイレ別。脱衣所と一緒も嫌

かろうじて最後だけそれらしいやつ。

そうして始まった彼女と私の物件探しの旅。もちろん、そんな物件なかった。

〜fin〜

②が真剣すぎたからって今回はふざけすぎたよね?テイストまとまらないけど別によくね!?はぁ!?!?(渡辺直美)

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