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30歳で自立したくなった話④/自分のセンスを信じろ

実のところ、自立部屋創造の第一歩である物件探しは約半年続けていた。
更新時期があるわけではないので急いでいなかったことと、ピンとくる物件がなかったことが原因だ。

そしてこの半年間で私の気持ちに変化があり、こう考え始めるようになっていた。


猫脚バスタブいらねーな

あんなに昔から憧れていた夢を叶えたい!これが私のアイデンティティ!ばりに主張していた猫脚バスタブを手放そうとしていた。

それだけではない。
ヴィンテージマンションだのデザイナーズだの可愛いタイルだの、それら全てのこだわりよりも大切なものを見つけたのだ。

それが、
駅歩5分以内・2階以上・オートロック・宅配ボックス・浴室乾燥機
だった。

断っておくが、初めてのひとり暮らしではない。なんなら18歳のときからひとり暮らしをしており引っ越し経験は4回ある。
引っ越し5回目、30歳にして初めて学んだ。

やっぱ暮らしやすいって大切だなぁ

ここで覚えておいてほしいのは、私は当初のこだわりを諦めたわけではない。
デキる後輩はもちろんデキるので、猫脚バスタブやへんな間取りやヴィンテージマンションやごりごりデザイナーズの部屋を紹介してくれた。相当内見に付き合わせたし、毎回「この部屋だったらベッドここですかね〜」と真剣にレイアウトを考えてくれた。

その上で、いらないと判断したのだ。
諦めたのではなく、自分には必要がないと。

これもすべて、この後輩の影響が大きい。
彼女のお部屋の写真を見せてもらったときに、ばちぼこ可愛くてうっとりした。不思議の国のアリスとティファニーの世界観を混ぜてもっとスタイリッシュにしたような、海外のホテルのような、そんなお部屋だったのだ。

聞くと、物件は本当になんの変哲もない1K。
賃貸OKの壁紙を業者にお願いして貼ってもらった。あとは自分のセンス次第ですよ、と。

センス。それだ。

私は自分がおしゃれだとか、センスが良いとはあまり思わない。この後輩のような本当にセンスが良い人と比べると、どこか垢抜けなくてダサイ。

でも、自分のセンスが好きなのだ。
他人から変と思われたって、ダサイと思われたって、自分が好きならそれでいい。
洋服とはまた別だ。洋服がダサイのは人目に触れるから恥ずかしいしモテないしダサかったら教えてほしい。

でも、私のためだけのわたしのおうちなのだ。誰のためでもない。誰かが見るわけでもない。そんなの、私が毎日暮らす中で幸せって思える空間であればそれがいちばんおしゃれじゃないか。

元から個性的な物件である必要はない。
私が自分で創り上げていくことのほうが何倍も重要だ。

そうして私は、なんの変哲もない1Rの、駅徒歩5分以内でオートロックと宅配ボックスと浴室乾燥機がついている2階以上の部屋を契約した。


全然生活始まらないけど心情の変化とかを逐一残しておきたいと思ったらほんとに全然進まない。まぁいっか、これも私のためのものだから!



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