見出し画像

『ザ・フラッシュ』過去の清算と転換

2023年6月16日はヒーロー映画好きは頭を悩ませた人が多いのではないだろうか。
何せ『ザ・フラッシュ』と『スパーダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の上映日が一緒だったからだ。
私はヒーロー映画も好きだが、タイムワープ映画も大好きなのでまずは『ザ・フラッシュ』を観ることにした。
結局どちらも観るので順番で迷っていた感じである。

さて、辛い過去を持っているヒーローは多く、バットマンは両親を目の前で殺害され、スパイダーマンも叔父(最新作は叔母)が殺されている。
今作のフラッシュも母親が殺害されている上に父親がその母殺しの犯人として捕まっている。
フラッシュは父親をまだ助けられる可能性があるためにより過去に執着している部分がある。
そんなフラッシュの能力は簡単に言うと、もの凄く速く動けるヒーローである。
ただその速さは光速を超えることにより過去に戻ることまで出来るようになる。
当然そのような能力を持ったフラッシュは両親を助けないという選択はなく、母親を助けに過去に戻ると言うのが今作のメインの話である。
またこの作品はジャステスリーグを観ているとより話が分かりやすくなっている。

余談だが私は子供の頃フラッシュのプラスチック人形で遊んでいた記憶がある。しかも私が持っていたヒーローの人形はその一つだった。その時の気持ちを覚えていないが、その時はそれほどフラッシュが好きだったようだ。

さてこれからはややネタバレを含んだ感想を書きたい。

公式・キャラクターポスター

まず今作のフラッシュは冒頭のヒーロー活動がとても面白かった。
フラッシュが高速移動をするシーンの描き方がワクワクさせられ、街から街へ移動するシーンがとても楽しい。
またフラッシュが本気を出すと周りのものがすべてスローモーションで動き出す。
ビルから降ってくる赤ん坊と犬を助けるシーンは絶望感もあるのにコミカルに描かれていて、フラッシュの魅力に溢れていた。

今回の映画はヒーロー物とタイムワープ物の二つの側面を持っており、フラッシュは母親を助けるために過去に戻る。

見事に母親を助けることに成功するのだが、そのために世界に多くの変化が起こっており、まずバットマンが別人になり、スーパーマンも殺されている。
その世界に強力なヴィラン(ゼット将軍)が訪れることになるのだ。

フラッシュは母親が生きているこの世界を助けるために、その世界にいる自分(フラッシュ)とヒーローを集めることになる。
そのためこの映画では二人のフラッシュの活躍を観ることになる。

二人のフラッシュとバットマンにスーパーガールの四人でヴィランに戦う事になるのだが、とまあこんな感じで話は進みクライマックスに進んで行く。

タイムワープ映画としては母への想いや愛が描かれており、そこに涙を誘うシーンが多くあった。

本当にうまく面白くヒーローとタイムワープを融合した映画だったが、終わり方はヒーロー映画と言うよりはタイムワープ映画の結末だったように思う。

DC映画の観点で言うと、ジェームズ・ガンが総指揮を取って大きな改変をしていく時期で今までの映画(スーパーマンなど)をなかったことにして新しいシリーズを作り出すことが決まっている。

その新しいシリーズにする説得力を持たせたのがこの『ザ・フラッシュ』でフラッシュが過去を変えたことにより世界が変わったしまったから、これからのシリーズのスーパーマンなどは別人になるのですという言い訳が立つのである。

これはなかなか上手いと思った。そのためDC映画の新シリーズでフラッシュとアクアマンは同じ俳優が演じることがこの映画でわかる。

最近のマーベル映画は出る作品数が多く、親会社のディズニーの影響かポリコレ色が強く、また『アベンジャーズ・エンドゲーム』と言う最高の映画を作り出したためにどうも新作に勢いがないのが多い。

この『ザ・フラッシュ』を観て、これからのDC映画は楽しみだなとワクワクしている。
これからのヒーロー映画はDCの時代が来るかもしれない。
(またはRRRを作り出したインド映画)

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

遅筆なためサポートしていただけると、創作時間が多くとれて大変に助かります。それに栄養のある食事もとって末永く創作活動していきたいですね。 よろしければサポートお願いいたします。