子どもが不登校になって3年、お母さんの秘めた思い
子どもの居場所づくりや学び支援をおこなう認定NPO法人カタリバは、"居場所"で出会った子どもたちのエピソードや、スタッフの思いを描いた物語を「ぼくらが出会ったあの子の話」としてフィクションマンガでまとめています。居場所づくりや子ども支援に関心をお持ちの方に、こんな団体があるんだなと知っていただく機会になればうれしいです。
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子どもが不登校になって3年、お母さんの秘めた思い
"一人じゃないと思える安心が、うれしい"
第9話に登場した不登校の中学生の女の子、ななかさん。ご近所や同級生の目が気になってなかなか家から出られない生活が続いていましたが、このまちテラスに通い始めて4ヶ月、新しい生活にも徐々に慣れ始めたようです。
その姿を見守ってきたお母さんは、ななかさんが学校に行き渋るようになってからこの3年間、仕事の勤務日数や時間を減らしたり、在宅でできるよう調整してもらったり、毎朝なんて声をかけるべきか悩んだり、手探りの日々を過ごしてきました。学校に行けた日には自分もまた前向きに生活を戻していけるかもと期待して、調子の悪い日にはやっぱり難しいかと落ち込んで、自分自身を責めてしまうこともありました。
行ったり来たり、波打つように揺れ動く子どもたちの心。その波を受けて一喜一憂しながら、先行きの見えない不安な気持ちを一人で抱えている保護者の方も少なくないはずです。
子どもだけでなく大人たちもしっかりとサポートしていくことが大切だと考え、このまちテラスでは、保護者の方々が安心して気持ちを吐露できる居場所をつくれるよう定期的に保護者会を開催しています。
不登校の子どもと向き合う保護者や大人たちも支えたい。カタリバ代表今村久美が本を出版
認定NPO法人カタリバは2023年2月、不登校の子どもをもつ保護者やまわりの大人たちと一緒に考えていきたいポイントを1冊の本にまとめました。
この本を手に取っていただく方々が、少しでも前向きになれたり、一人じゃないんだと思えたらうれしいです。また、子どもたちをどうやって家庭や地域社会で支えていくかを一緒に考えていける仲間が、この本を通して増えていくことを願っています。
▼『NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書』、ダイアモンド出版
▼次話「日本でも、わたしは消えてない」"外国ルーツを持つあの子"の話
▼【カタリバマンガ】ほかのエピソードを読む
マンガ制作:はしもとあや
監修:認定NPO法人カタリバ