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この菊花透の鉄鐔はいつ頃のものなのか考察

この菊花透の鉄鐔はいつ頃のものなのか考察

先日刀心さんのサイトで菊花透の鉄鐔を購入させて頂いた。
横59㎜、縦61㎜、茎孔27㎜、耳厚2㎜、切羽台厚1㎜、重さ20gとかなり小ぶり。櫃孔は7㎜×15㎜位ある。

写真でなかなか鉄味は分からなかったものの良さそうに思えた事、薄手で小ぶりな菊花透鐔を見た事が無かったので興味が湧いた次第である。
茎孔のサイズ的に脇差or短刀に付けられたと考えられる。

①実戦的な形状を思わせるところで鐔に刃を受け

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この鐔ガラクタかそれとも

この鐔ガラクタかそれとも

正月早々にメルカリで面白そうな鐔を発見したので購入してみました。
説明文には青銅製の鐔と書かれており緑青も沢山出ている様子。
青銅製の鐔は以前鎌倉期の物とされる物で材質的に似たような見た目の物を拝見した事がある位であり(それが青銅かは分からない)、それ以外見た事がありません。
1万円という事もありガラクタ覚悟で何かしら勉強になりそうに思い買ってみました。

届いてみた物を拝見するとこのような感じ。

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野晒目貫(大月派)②裏行の観察

野晒目貫(大月派)②裏行の観察

刀装具に興味を持ち最初の目貫である表題のものを買ってからはや8か月が経った。当時は表の意匠ばかり見ており、裏をあまり見ていなかったので今回は裏行を観察してみる事にする。

①についてはこちら↓

①表目貫の裏陽根は素銅で出来ている。根の根本がどのように接着されているのかは分からないのだが、一体化しているように見える事から全周を溶接するような事をしているのかもしれない。
また陽の太さは直径3.5mm

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古金工(名号歌象嵌鐔)②象嵌について

古金工(名号歌象嵌鐔)②象嵌について

前回に続き、今回は桃山期頃と見られている古金工鐔(名号歌象嵌鐔)の象嵌部をルーペで見てみる。
前回のブログはこちら。

当初3つの象嵌を使い分けているように思ったが改めてじっくり見てみると、象嵌部が部分的に剥落しているだけで2つの象嵌を使い分けているように見て取れるような気がしてきたので画像を載せていく。
しかしどのような象嵌を施しているか自信が無いので、是非詳しい方にご教授頂きたい。

以下の水

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古金工(名号歌象嵌鐔)①

古金工(名号歌象嵌鐔)①

さて先日刀屋さんを訪れた時の事。

古金工鐔について勉強させて頂きたいと思い、何点か見せて頂く事に。
その中である鐔に目が留まる。
古金工極めの保存刀装具の鑑定書の付いた鐔である。
どうやら和歌らしきものが象嵌されている。櫃孔の形が山形で古い印象を受けるが形そのものは綺麗に開けられている。
桃山時代頃のものだろうかとのこと。

古金工といえば山銅地の鐔が多いですが、この鐔は素銅。
素銅に特段興味が

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ヤフオクで鐔を買い、自分の考えをまとめてから刀屋さんに見て頂いた結果

ヤフオクで鐔を買い、自分の考えをまとめてから刀屋さんに見て頂いた結果

刀はヤフオクで買ってないのですが、鐔は定期的にヤフオクを見たりしています。
こちらの鐔も以前ヤフオクで手に入れました。

・こちらが手に入れた鐔